フランスの科学機器製作者ジャン・ニコラ・フォルタン(英語版) (Jean Nicolas Fortin) が1795年に出版した星図Atlas Céleste の改訂版に、「壁」を意味するLe Mural という名前で載せられたのが初出である。Atlas Céleste は、ジョン・フラムスティードが1729年に出版した星図『天球図譜』 (Atlas Coelestis) を3分の1に縮小して再版したもので、1776年に初版が出された。1795年に出版されたこの改訂版は、ラランドと彼の同僚ピエール・メシャンによって編集され、付録の星表への記載こそないものの、星図のプレート2に壁面四分儀の絵とLe Muralという名称が書き加えられている[2]。発行者のフォルタンは付録のテキストの中で、「Le Mural、またはQuart-de-cercle Mural (Pl.2) は、ラランドがりゅう座、うしかい座、ヘルクレス座の間の隙間に配置したもう1つの新しい星座である。ラカイユは、南天の星を観測した後に物理学と芸術の道具で新しい星座を形成した。彼の例に倣って、我々は北天で3万の星の観測に役立った貴重な道具、すなわち天文学の最大の記念碑を奉献できると考えた。」としている[3]。実際、ラランドはコレージュ・ド・フランスに天文学教授として在職中に、甥のミシェル・ルフランセ・ド・ラランドと共に、壁面四分儀を用いて5万個以上の恒星の位置を特定している[3]。ラランドは、翌1796年に出版したConnaissance des temps ou des mouvements célestes, à l'usage des astronomes et des navigateurs, pour l'annéeの中で、5等級から7等級までの恒星10個をこの星座に属するものとしている[3][7]。
^ abcdefghJohn C. Barentine (2015-10-23). The Lost Constellations: A History of Obsolete, Extinct, or Forgotten Star Lore. Springer. pp. 293-305. ISBN 978-3-319-22795-5. https://books.google.com/books?id=u_7NCgAAQBAJ
^ abRichard H. Allen (2013-02-28). Star Names: Their Lore and Meaning. Courier Corporation. p. 348. ISBN 978-0-486-13766-7. https://books.google.com/books?id=vWDsybJzz7IC
^Joseph Jérôme Lefrançois Lalande (1796). Connaissance des temps ou des mouvements célestes, à l'usage des astronomes et des navigateurs. Gauthier-Villars. pp. 232-234. https://books.google.com/books?id=PhVFAAAAcAAJ