はなればなれに

曖昧さ回避 この項目では、1964年のフランス映画について説明しています。2012年の日本映画については「はなればなれに (2012年の映画)」をご覧ください。
はなればなれに
Bande à part
監督 ジャン=リュック・ゴダール
脚本 ジャン=リュック・ゴダール
原作 ドロレス・ヒッチェンズ
製作 アヌーシュカ・フィルム
オルセー・フィルム
出演者 アンナ・カリーナ
音楽 ミシェル・ルグラン
撮影 ラウール・クタール
編集 アニエス・ギュモ
配給 フランスの旗 ゴーモン / コロムビア
日本の旗 フランス映画社
公開 フランスの旗 1964年8月5日
日本の旗 2001年2月3日
上映時間 96分
製作国 フランスの旗 フランス
言語 フランス語
英語
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はなればなれに』(Bande à part)は、1964年(昭和39年)製作・公開、ジャン=リュック・ゴダールによるフランスの長篇劇映画である。

概要

ゴダールの長篇劇映画第7作で、即興演出、ミュージカル風シーンもあるコメディ・タッチの犯罪ミステリーである[1]。原作はドロレス・ヒッチェンズのペーパーバック小説Fool's Gold(2023年に『はなればなれに』の題で邦訳)である。

有名なのは3人のダンス・シーンで、アンナ・カリーナクロード・ブラッスールのダンスにサミ・フレーが加わる形でダンスが始まり、音楽はミシェル・ルグランが本作のために書き下ろしたリズム・アンド・ブルースであるにもかかわらず、俳優たちは「マジソン・ダンス」と呼んでいたという[2]。このシーンは、クエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』(1994年)[3]ハル・ハートリー監督の『シンプルメン』(1992年)[4]等に影響を与えた。また3人でルーブル美術館を走り抜けて、ルーブルを一周する最短記録を更新するというシーンは後にベルナルド・ベルトルッチの60年代後半のパリを舞台とした映画『ドリーマーズ』(2003年)でも参照されている。

ゴダールは、本作について「不思議の国のアリス・ミーツ・フランツ・カフカ」(Alice in Wonderland meets Franz Kafka.)と表現している[5]

日本では、長らく未公開映画であり、東京日仏学院ホール等での特殊上映以外では観ることができなかった。2001年(平成13年)2月3日、製作以来37年ぶりに、日本で初めて劇場公開された。

スタッフ

キャスト

  • アンナ・カリーナ (オディル役)
  • ダニエル・ジラール (英語教師役)
  • ルイザ・コルペン (ヴィクトリア夫人役)
  • シャンタル・ダルジェ (アルチュールのおば役)
  • サミー・フレー (フランツ役)
  • クロード・ブラッスール (アルチュール役)
  • ジョルジュ・スタケ (軍人役)
  • エルネスト・メンツェル (アルチュールのおじ役)
  • ジャン=クロード・レモルー (飲酒する生徒役)
アルファベット順
  • ミシェル・ドラーユ (ポーター役)
  • ジャン=リュック・ゴダール (ナレーション)
  • ムッシュ・ジョジョ
  • クロード・マコウスキー (英語クラスの男子学生役)
  • ミシェル・セゲール (英語クラスの女子学生役)

ストーリー

ある冬のパリ。2人の青年、フランツ(サミー・フレイ)とアルチュール(クロード・ブラッスール)は、推理小説マニアの親友どうしで、性格は正反対だが、英語学校に現れた美しい生徒オディル(アンナ・カリーナ)に2人とも一目ぼれしてしまう。オディルは、北欧の国からおばの住むパリにやってきたのだが、どうもおばの家には大金が隠されていることを知る。

フランツとアルチュールは、オディルを巻き込み大金を盗み取る計画を練る。いざ犯罪決行の日が来たが、次々に事態はおかしくなり、ついにアルチュールが撃たれてしまう。フランツとオディルは逃走、貨物船に乗り南米へ。フランツとオディルの冒険は続く。

評価

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは51件のレビューで支持率は94%、平均点は8.10/10となった[6]

関連事項

関連書籍

  • Dolores Hitchens, Fool's Gold, Doubleday, 1958.
    • ドロレス・ヒッチェンズ(著)・矢口誠(訳)『はなればなれに』 新潮社新潮文庫〉、2023年3月1日初版発行、ISBN 978-4-10-240271-9

  1. ^ キネマ旬報DBサイト内の「はなればなれに[リンク切れ]」の項の記述を参照。
  2. ^ 本作のthe Criterion Collectionでのアンナ・カリーナインタヴューを参照。
  3. ^ Channel 4: British Film Institute: Bande à Part "A-Z Guide"
  4. ^ Hernandez, Eugene. "Godard's Outsiders Back in 35mm," indieWIRE, June 6, 2001.
  5. ^ Archer, Eugene. "Film Festival: New Wave at Its Crest," The New York Times, September 19, 1964
  6. ^ “Band of Outsiders (Bande à part) (1964)”. Rotten Tomatoes. Fandango Media. 2022年9月18日閲覧。

外部リンク

1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
共同監督
プロデューサー
製作会社
関連事項
監督作品以外の
おもなジャン=
リュック・ゴダール
出演作品