アウディ・Q7

Q7(キューセブン)は、ドイツの自動車メーカー、アウディが製造・販売するSUVである。

初代 (2005-2015年)

Q7
4L
フロント
リア
概要
製造国 スロバキアの旗 スロバキア
インドの旗 インド
ロシアの旗 ロシア
販売期間 2005-2015年
ボディ
乗車定員 5・7名
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 フルタイム4WD
パワートレイン
エンジン V6 3.0TDI(232PS、51.0kgf·m)
V8 4.2FSI(349PS、44.9kgf·m)
変速機 6AT
車両寸法
ホイールベース 3,000mm
全長 5,085mm
全幅 1,985mm
全高 1,735mm
車両重量 2,300-2,370kg
テンプレートを表示

2003年1月のモーターショーデトロイト・オートショーでパイクスピーククワトロ・コンセプトが、2005年9月にフランクフルトで行なわれたIAA2005にて市販版であるQ7が正式に発表された[1]

アウディ自慢の4輪駆動であるクワトロシステムを積むQ7の特徴のひとつに、3列シート(多くの市場ではオプション扱い)がある。プラットフォームは、フォルクスワーゲン・トゥアレグ / ポルシェ・カイエンと共通のフォルクスワーゲンL7型と呼ばれるものである。クワトロシステムはアウディ・RS4と同じメカニズムを採用する。エクステリアのデザインは、和田智[2]

高級クロスオーバーSUVとして、前述のトゥアレグよりもオンロード指向のセッティングとなっている。引き換えにオフロードにおける走行性能は貧弱であり、英国の高級紙タイムズには「まったく使い物にならない」と評された。

エンジンはハンガリー製。製造・組み立ては、スロバキアブラチスラヴァフォルクスワーゲン ブラチスラヴァ工場で行われるが、多くの重要部品はアウディのドイツ2工場(インゴルシュタット、およびネッカースウルム)から供給されているという[3]

2006年10月4日、日本市場への導入を発表[4]。同月27日より販売開始。グレードは4.2LV8エンジンを搭載する「Q7 4.2 FSIクワトロ」のみとなる。

2007年4月9日、日本市場に3.6LV6エンジンを搭載する「3.6FSIクワトロ」を追加した[5]

2009年9月30日、日本市場向けにマイナーチェンジモデルを発表し同日販売開始[6]。エクステリアはグリルのデザインが変更されたほか、ヘッドライトがLEDポジションランプを内蔵したものに改められた。また、パワートレインに大きな変更は見られないものの、回生ブレーキシステムを採用し燃費を向上させた。

2010年7月21日、日本市場向けにパワートレインを一新[7]スーパーチャージャー付3.0LV型6気筒TFSIガソリン直噴エンジンに、新開発の8速ティプトロニックトランスミッションを組み合わせる「Q7 3.0TFSIクワトロ」に一本化された。

2012年11月8日、「Q7」をインドで生産開始したと発表[8]

2008年にはハイブリッド車を追加するとしている。4.2L V8FSIエンジンとトルクコンバーターの間に電気モーターを配置するもので、0-100km/h加速は6.8秒、5速で80-120km加速が7秒。燃費は8.3km/lと発表されている。また電気モーターのみでの走行も可能。

2005年、全世界で販売は1,185台(フォルクスワーゲンAG2005年度年間報告書より)。2007年、3.6FSI販売開始後の日本市場での販売目標は400台/年であるとされた。

2008年10月24日付のニュースリリースで、日本におけるポスト長期規制をクリアしたクリーンディーゼルエンジン搭載の3.0TDIを2010年導入予定と発表されたものの、2015年3月現在になっても販売される見通しは立っていない。最高出力165kW(225PS)と最大トルク550N·m(56.1kgf·m)となる予定。実質燃費は13km/Lを越える3Lエンジンでは画期的な数値である。なお、2008年同時期に日本では未発売なものの、V12 TDIクアトロ(V型12気筒ディーゼルエンジン)を搭載したモデルが発売された。出力は550PS、トルクは約105kgmで、燃費は約11.9km/1L。580万円のエクスクルーシブパッケージをオプションでつけると内装は羊の革・ウッドが多く使われており、外装には21inアルミニウムアロイホイールが装備されている。

日本国内でも販売されていたが、2012年にラインナップから外れた。

日本でのグレードおよびスペック
グレード エンジン 排気量 最高出力・最大トルク 変速機 駆動方式 発売時期
Q7 4.2FSIクワトロ V型8気筒 DOHC 4,163cc 350PS/44.9kgf·m 6速AT 4WD 2006年10月-2010年7月
Q7 3.6FSIクワトロ VR6 DOHC 3,597cc 280PS/36.7kgf·m 2007年4月-2010年7月
Q7 3.0 TFSIクワトロ V型6気筒 DOHC
スーパーチャージャー
2,995cc 272PS/40.8kgf·m 8速AT 2010年7月-

2代目 (2015年-)

Q7
4M
フロント
リア
改良型
概要
製造国 スロバキアの旗 スロバキア
インドの旗 インド
ロシアの旗 ロシア
販売期間 2015年-
ボディ
乗車定員 5名/7名
ボディタイプ 5ドアSUV
駆動方式 4WD
車両寸法
ホイールベース 2,995mm
全長 5,050mm (-2020年8月)
5,065mm (2020年8月-)
全幅 1,970mm
全高 1,740mm (-2020年8月)
1,705-1,735mm (2020年8月-)
車両重量 1,910–2,445kg (-2020年8月)
2,120-2,160kg (2020年8月-)
テンプレートを表示
改良型

2015年1月、デトロイトモーターショーにて2代目を発表した[9]。ドア、フロントフェンダー、ボンネット、テールゲートにアルミを用いたことから先代に比べて325kgの重量軽減を達成し、燃費も26%向上した[10]

2015年3月3日ジュネーブモーターショーにてプラグインハイブリッド車(PHV)「Q7 e-tron 3.0TDIクワトロ」を初公開した[11]。最高出力258hp、最大トルク61.2kgmを発揮する直噴3.0LV型6気筒ターボディーゼル「3.0TDI」に、最高出力128hp、最大トルク35.7kgmを発揮するモーターを組み合わせる。トランスミッションは8速ティプトロニックでモーターと一体化されている。蓄電容量17.3kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、燃費性能は欧州複合モードで58.8km/Lを達成する。

2015年4月19日上海モーターショーにてプラグインハイブリッド車(PHV)「Q7 e-tron 2.0TFSIクワトロ」を初公開[12]。アジア市場向けに開発されたもので、最高出力252hp、最大トルク37.7kgmを発生させる2.0L直列4気筒ガソリンターボ「TFSI」と最高出力128hp、最大トルク35.7kgmを引き出すモーターを組み合わせ、システム全体では出力367hp、トルクが71.4kgmを発揮する[13]。トランスミッションは8速ティプトロニックでモーターと一体化されている。蓄電容量17.3kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、燃費性能は中国測定方式で40km/Lを達成する。

2015年8月上旬、欧州向けに「Q7 ultra 3.0 TDI quattro」を発表[14]。最高出力218hp、最大トルク51kgmを発揮する直噴3.0LV型6気筒ターボディーゼル「TDI」エンジンを搭載。そのほか走行抵抗を低減し、燃費性能は欧州複合モード燃費18.2km/Lを達成する。

2019年9月15日、欧州向けに改良モデルを発売[15][16]。パワートレインに48Vのマイルドハイブリッドを採用し燃費性能を向上。エクステリアは最新のアウディデザインに変更された。

2019年12月9日、欧州向けにプラグインハイブリッド車(PHV)「Q7 TFSI e クワトロ」を発表[17]。最高出力340ps、最大トルク45.9kgmを発揮する直噴3.0LV型6気筒ガソリンターボ「TFSI」エンジンに、最高出力128ps、最大トルク35.7kgmを発生させるモーターを組み合わせる。トランスミッションは8速ティプトロニックでモーターと一体化されている。また、蓄電容量17.3kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載している。

日本での販売

2015年10月、東京モーターショーにてプラグインハイブリッドモデル「Q7 e-tron」を日本初公開[18]

2016年3月8日、「Q7」を同月16日より販売開始すると発表[19]。グレードは2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載する「Q7 2.0 TFSIクワトロ」と 3.0LV型6気筒スーパーチャージャーを搭載する「Q7 3.0 TFSIクワトロ」の2種類。

2016年7月19日Googleが提供する「Android Auto」への対応を開始すると発表[20]

2018年8月20日、70台限定の特別仕様車「サムライエディション」を販売開始[21]

2019年2月19日、125台限定の「Q7ブラックスタイリング」を発売[22]

2019年8月20日、50台限定の特別仕様車「urban black」を発売[23]

2020年8月18日、改良モデルを発表し、同日販売開始[24]。エクステリアデザインは他のアウディのSUVモデルに共通する八角形のシングルフレームグリルを、インテリアには12.3インチディスプレイの「アウディバーチャルコックピット」や2つの大型タッチスクリーンを採用。乗車定員は5名が標準だが、オプションで7人乗り3列シート仕様の7シーターパッケージを用意した。パワートレインは、3.0LV型6気筒ツインスクロールターボエンジンに48V電源とマイルドハイブリッド(MHEV)システムを組み合わせ、最高出力340PS(250kW)、最大トルク500N·m(51.0kgf·m)を発揮。これに8速ティプトロニック、フルタイム4WD「クワトロ」を組み合わせる。また、同時に特別仕様車「45 S line limited」を310台限定で発売。最高出力252PS(185kW)、最大トルク370N·m(37.7kgf·m)を発揮する2.0L直列4気筒ターボエンジンとフルタイム4WDシステムを搭載し、「7シーターパッケージ」や「プレミアムパッケージ」、21インチアルミホイールを装備している。

日本でのグレードおよびスペック
グレード エンジン 排気量 最高出力・最大トルク 変速機 駆動方式 発売時期
Q7 2.0TFSIクワトロ 直列4気筒 ターボチャージャー 1,984cc 252PS/37.0kgf·m 8速AT 4WD 2016年03月-2020年08月
Q7 3.0TFSIクワトロ V型6気筒 スーパーチャージャー 2,994cc 333PS/44.0kgf·m 2016年03月-2020年08月
Q7 45 S line limited 直列4気筒 ターボチャージャー 1,984cc 252PS/37.7kgf·m 2020年08月-
Q7 55 TFSI quattro V型6気筒 ツインスクロールターボ 2,994cc 340PS/51.0kgf·m 2020年08月-

脚注

[脚注の使い方]

注釈

出典

  1. ^ “アピール度も注目度も高い! 「アウディQ7」【フランクフルトショー05】”. web CG (2005年9月14日). 2020年8月13日閲覧。
  2. ^ “2007 Audi Q7” (英語). audi MediaInfo. 2020年8月13日閲覧。
  3. ^ アウディ社プレスリリース 『Production of the Audi Q7 in full swing』 2006年3月24日
  4. ^ “アウディの大型プレミアムSUV「Q7」発売”. web CG (2006年10月4日). 2020年8月13日閲覧。
  5. ^ “「アウディQ7」に3.6リッター追加、六本木でイベントも開催”. web CG (2007年4月9日). 2020年8月13日閲覧。
  6. ^ “「アウディQ7」がビッグマイナーチェンジ”. web CG (2009年9月30日). 2020年8月13日閲覧。
  7. ^ “アウディ Q7、新3.0リットルエンジンと8速AT搭載で燃費向上”. Response. (2010年7月21日). 2020年8月13日閲覧。
  8. ^ “アウディ、インドで Q7 の現地生産を開始”. Response. (2012年11月9日). 2020年8月13日閲覧。
  9. ^ “Slimmer, Fuel-Efficient 2016 Audi Q7 To Bow at 2015 Detroit Auto Show” (英語). edmunds (2014年12月15日). 2020年8月13日閲覧。
  10. ^ “【デトロイトモーターショー15】アウディ Q7 新型…先代比で最大325kgの軽量化を実現[詳細画像]”. Response. (2015年1月19日). 2020年8月13日閲覧。
  11. ^ “【ジュネーブモーターショー15】アウディ Q7 新型にPHV…58.8km/リットルの低燃費”. Response. (2015年3月4日). 2020年8月13日閲覧。
  12. ^ “【上海モーターショー15】アウディ、 A6 と Q7 のPHVを同時に世界初公開”. Response. (2015年4月20日). 2020年8月13日閲覧。
  13. ^ “【上海モーターショー15】アウディ Q7 新型にアジア向けPHV…2.0リットルにダウンサイズ”. Response. (2015年4月17日). 2020年8月13日閲覧。
  14. ^ “アウディ Q7 新型、欧州で「ウルトラ」…燃費18.2km/リットル”. Response. (2015年8月18日). 2020年8月13日閲覧。
  15. ^ “Audi Q7 : fameux coup de bistouri, à 48 V” (フランス語). Le Moniteur automobile (2019年6月26日). 2020年8月13日閲覧。
  16. ^ “アウディ Q7 改良新型、9月に欧州発売へ…6万6900ユーロから”. Response. (2019年7月25日). 2020年8月13日閲覧。
  17. ^ “アウディ Q7 に新世代PHV、パワーは456馬力…欧州発表”. Response. (2019年12月11日). 2020年8月13日閲覧。
  18. ^ “【東京モーターショー15】アウディ Q7 e-トロン…クワトロにPHVで力強い走り[詳細画像]”. Response. (2015年11月5日). 2020年8月13日閲覧。
  19. ^ “アウディ ジャパン、新型Q7を3月16日に発売”. web CG (2016年3月9日). 2020年8月13日閲覧。
  20. ^ “アウディ、グーグルのAndroid Auto機能に対応”. Response. (2016年7月20日). 2020年8月13日閲覧。
  21. ^ “研ぎ澄まされた「サムライ」スタイル、アウディ Q7 に限定モデル発売”. Response. (2018年8月21日). 2020年8月13日閲覧。
  22. ^ “アウディ Q7、黒基調の限定モデル発売へ 安全装備も充実”. Response. (2019年2月12日). 2020年8月13日閲覧。
  23. ^ 『限定モデル Audi Q7 urban blackを発売』(プレスリリース)Audi Japan、2019年8月20日。https://www.audi-press.jp/press-releases/2019/b7rqqm000000sya4.html2020年8月13日閲覧 
  24. ^ 『新型Audi Q7を発売』(プレスリリース)Audi Japan、2020年8月18日。https://www.audi-press.jp/press-releases/2020/b7rqqm000000whow.html2021年4月11日閲覧 

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、アウディ・Q7に関連するカテゴリがあります。

外部リンク

  • Audi Q7(日本語)
  • Audi Q7(ドイツ語) - Audi.de
  • Audi Q7 TFSI e(ドイツ語) - Audi.de
アウディ車両年表
1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
スーパーミニ 50 A2 A1 A1
Cセグメント A3 A3 A3 A3
S3 S3 S3 S3
Dセグメント F103 80 80 80 80 A4 A4 A4 A4 A4
90 90 S2 S4 S4 S4 S4 S4
RS2 RS4 RS4
Eセグメント 100 100 100 100 A6 A6 A6 A6 A6
200 200 S4 S6 S6 S6 S6 S6
RS6 RS6 RS6
Fセグメント V8 A8 A8 A8 A8
S8 S8 S8 S8
クーペ クーペ 80クーペ A5 A5
クワトロ S2クーペ S5 S5
RS5 RS5
100クーペ A7 A7
e-tron GT
スポーツカー TT TT TT
R8 R8
ワゴン オールロードクワトロ A6オールロードクワトロ
A4オールロードクワトロ A4オールロードクワトロ
SUV Q2
Q3 Q3
Q4 e-tron
Q5 Q5
e-tron('21-'23)→Q8 e-tron('23-)
Q8
Q7 Q7
スタブアイコン

この項目は、自動車に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(自動車ポータル/自動車PJ/乗用車PJ)。

  • 表示
  • 編集
ポータル 自動車 / プロジェクト 乗用車 / プロジェクト 自動車
   
    • 自動車の歴史
    • モータースポーツ
    • 自動車画像
    • 自動車関連のスタブ項目