『オフィスの女王』(オフィスのじょおう)は、2013年に韓国放送公社 (KBS) で放送された連続テレビドラマ。2007年に日本で放送された日本テレビ系の連続テレビドラマ『ハケンの品格』のリメイクで[2]、舞台をソウルにある大手食品会社に設定し、主人公ミス・キム役をキム・ヘスが演じた[4]。韓国でのタイトルは『직장의 신(職場の神[7])』で、日本ではタイトルを『オフィスの女王』とした[1][3]。
韓国で毎週月曜日と火曜日の夜9時55分から毎回約1時間「月火ミニシリーズ」枠で、2013年4月1日から5月21日まで全16回にわたって放送された[4]。ユン・ナンジュンが脚本を書き、チョン・チャングンとノ・サンフンが演出した[1]。主演のキム・ヘスの他、相手役にオ・ジホ、ミス・キムの直属の上司役にイ・ヒジュン、同僚の派遣社員役にチョン・ユミ、新入社員の正社員役にチョン・ヘビンが出演した[3]。
背景と評価
韓国は4年制大学卒業者の就職率が2012年の調査では6割程度と厳しい社会状況で[8]、非正規職員も多数を占める雇用情勢だが[9][10]、派遣社員を主人公にしたドラマは韓国では本作品以前になかった[11]。放送が開始されると視聴者から「熱い反応」があり[11]、非正規職問題を取り上げた時宜を得た企画であると評価された[9]。
ただし、後半の恋愛喜劇については「無駄」という意見がある[12]一方で評価する意見もあり[10]、全体としてオリジナルの日本版よりコメディー性を強調した創作で気軽に視聴するべき作品になっている[10]。初回の視聴率は約8パーセント。最高視聴率は第8回の約15パーセントだった[13]。
主演のキム・ヘスは、年末恒例の放送局が自社放送番組を対象に授賞する番組の一つ「KBS演技大賞」で最高賞の大賞を主演俳優として受賞した[14]。翌年2014年5月に開催された第50回百想芸術大賞では、テレビ部門の最優秀女性演技賞候補5人のうちの一人として本作『職場の神』(オフィスの女王)のキム・ヘスの名が挙がったが、受賞は逃した[15]。
日本における展開
この韓国版リメイクを日本では『オフィスの女王』と題してKNTVなどで日本語字幕付きで放送し[3]、2015年5月にDVDの全巻セットが発売されたほか[1]、インターネット上の有料動画配信サービスサイトdTV[16]などで配信もされた。
登場人物
- ミス・キム
- 演 - キム・ヘス
- 韓国初の自発的派遣社員(外部の契約社員)[注釈 2]。人材派遣(業務請負)会社「派遣の品格」に勤続5年目で[注釈 3]、派遣先企業は「Y・Jang(Y醤)グループ」本社、配属部署はマーケティング営業支援部。派遣契約期間は3か月。年齢不詳。[17]
- チャン・ギュジク〈32歳〉
- 演 - オ・ジホ
- マーケティング営業部のチーム長(次長クラス)。[17]
- チョン・ジュリ〈25歳〉
- 演 - チョン・ユミ
- マーケティング営業支援部の派遣社員。派遣1年目(初回の派遣契約期間は3か月)。[17]
- ム・ジョンハン〈32歳〉
- 演 - イ・ヒジュン
- マーケティング営業支援部のチーム長。[17]
- ケ・ギョンウ〈27歳〉
- 演 - チョ・グォン
- マーケティング営業支援部の新入社員。正社員。[17]
- コ・ジョンド〈57歳〉
- 演 - キム・ギチョン
- マーケティング営業支援部の課長。正社員。[17]
- ファン・ガプトゥク〈54歳〉
- 演 - キム・ウンス
- マーケティング営業部兼マーケティング営業支援部部長。正社員。[17]
- クム・ビンナ〈25歳〉
- 演 - チョン・ヘビン
- マーケティング営業部の新入社員。正社員。[17]
- ク・ヨンシク〈34歳〉
- 演 - イ・ゴン
- マーケティング営業部の代理(主任クラス)。正社員。[17]
- シン・ミング〈29歳〉
- 演 - ナ・スンホ
- マーケティング営業部の部員。正社員2年目。[17]
- パク・ポンヒ〈29歳〉
- 演 - イ・ミド
- マーケティング営業部の派遣社員。派遣5年目。[17][注釈 4]
- オ・ジラン〈25歳〉
- 演 - ソン・ジイン
- マーケティング営業部の派遣社員。派遣2年目。[17]
- ヨン・ダラ〈24歳〉
- 演 - イ・ソユン
- マーケティング営業部の派遣社員。派遣1年目。[17]
- ヨ・ジャンミ〈44歳〉
- 演 - キム・ナウン
- 製品開発管理部部長。[17]
- アン・ジョンチョル〈32歳〉
- 演 - オ・ヨン
- 人材派遣会社「派遣の品格」の正社員でジョブ・マネージャー(担当営業)。入社6年目。[17]
- ハン店長
- 演 - キム・グァンギュ
- 取引先のスーパーの店長。[17]
- ロサ
- 演 - キム・ボミ
- バーの社長。ミス・キムと親しく、彼女の過去を知っている。[17]
- フリセサ
- 演 - イ・ヒョンジェ[17]
- バーの店員[18]。
- オンマソン食堂社長
- 演 - トン・バンウ
- ミス・キムの行きつけの食堂の社長。[17]
- ウォン・ジュファン
- 演 - カン・シンチョル
- ミス・キムの昔の恋人。[17]
- 駅員
- 演 - ソン・ホスン[17]
- 職員
- 演 - チェ・ジョンファ[17]
- 洗車場アルバイト
- 演 - ヤン・サングク
- ジュリのUSBを最初に持っていた。[17]
- 洗車場アルバイト2
- 演 - キム・ギヨル
- ジュリのUSBを2番目に持っていた。[17]
- 中国料理店配達員
- 演 - ホ・ギョンファン
- ジュリのUSBを3番目に持っていた。[17]
- 工事現場作業員
- 演 - キム・ジュヒョン
- ジュリのUSBを最後に持っていた。[17]
- ビル管理員
- 演 - キム・ギリ
- ギュジクの演説中に掃除するミス・キムを阻止する。[17]
- 醤油漬けの達人
- 演 - キム・ビョンマン
- ミス・キムと醤油漬けの仕事をしたことがある。[17]
- ホームショッピングのMD
- 演 - コ・スヒ[17]
- ホームショッピングのPD
- 演 - イ・ジュニョク[17]
- オン・アジプ会長
- 演 - クォン・ソンドク
- 伝統的な方法で最高の塩を作る。[17]
- オン・ソシン
- 演 - ハン・スンヒョン
- オン会長の息子。[17]
- チャン・ドゥクテ〈53歳〉
- 演 - イ・ジョンソプ
- 味噌玉麹ソムリエ。[17]
脚注
注釈
- ^ ハングル表記である原題に漢字を当てた仮の表記。
- ^ 韓国の派遣先や請負先の会社(企業)では派遣社員や請負社員のことを契約社員(契約職員)と呼ばれていることが多い。
- ^ 各派遣先(請負先)での派遣契約期間終了後の休職期間は除く。
- ^ 韓国の法律では、派遣労働者(間接雇用)は2年経つと派遣先で直接雇用に転換しないといけないので法律違反しているが、それから1年後の派遣6年目でようやく派遣先が直接雇用をした。雇用形態は無期契約社員で正社員とは異なる。
出典
- ^ a b c d e f g “オフィスの女王 (2013)”. allcinema. 2017年9月25日閲覧。
- ^ a b c “직장의 신 - 제작진”. KBS. 2016年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月10日閲覧。 “원작 일본 NTV <The Pride of the Temp / 파견의 품격>”
- ^ a b c d e “オフィスの女王”. KNTV. 2022年10月14日閲覧。
- ^ a b c d e “직장의 신”. Daum. 2017年9月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月25日閲覧。
- ^ "Jikjangui Shin" IMDb. 2022年10月14日閲覧。
- ^ "The Queen of Office" HanCinema. 2022年10月14日閲覧。
- ^ “職場の神”. デジタル大辞泉プラス. コトバンク、小学館. 2017年10月13日閲覧。
- ^ “Q. 韓国では大卒生の就職率が悪いのに、なぜみんな大学に行こうとするの?”. もっと! コリア. O2CNI Co.Ltd.. 2017年10月15日閲覧。
- ^ a b イ・ヨンヒ (2013年4月19日). “【コラム】日本ドラマのリメーク版『職場の神』、原作以上に魅力を感じるワケは”. 中央日報日本語版. 2014年6月18日閲覧。
- ^ a b c 参考:藤脇邦夫『定年後の韓国ドラマ』幻冬舎〈幻冬舎新書〉、2016年、250頁。
- ^ a b “【コラム】日本ドラマ『ハケンの品格』リメーク版に韓国サラリーマン「痛快だ」(1)”. 中央日報日本語版 (2013年4月5日). 2014年6月18日閲覧。
- ^ “日本ドラマのリメーク、明暗を分けるポイントはどこに?(2)”. 中央日報日本語版 (2013年7月10日). 2017年10月15日閲覧。
- ^ “시청률”. Daum. 2022年10月15日閲覧。
- ^ “女優キム・ヘス、韓国版『ハケンの品格』でKBS演技大賞を受賞”. 中央日報日本語版 (2014年1月2日). 2017年9月25日閲覧。
- ^ “백상예술대상 2014년 제50회”. NAVER. 2017年6月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月10日閲覧。2023年5月30日アーカイブを閲覧。なお、このとき最優秀女性演技賞を受賞したのは『君の声が聞こえる』のイ・ボヨンだった。
- ^ “オフィスの女王”. dTV. 2017年10月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag “출연”. Daum. 2022年10月15日閲覧。
- ^ “オフィスの女王 - 相関図”. ポニーキャニオン. 2017年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月15日閲覧。
外部リンク
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