ガスクロマトグラフィー–質量分析法

GC-MS装置の例

ガスクロマトグラフィー–質量分析法(Gas Chromatography - Mass spectrometry、GC/MS)とは、ガスクロマトグラフで分離させた種々の成分を、質量分析計で検出する方法。

装置構成

GC-MSの内部。右側がガスクロマトグラフ、左側が質量分析計。
GC-MSの概略図

GC/MSはガスクロマトグラフ、インターフェース部、質量分析計から構成されている。

ガスクロマトグラフ

詳細は「ガスクロマトグラフィー」を参照

通常のガスクロマトグラフィーと同様の測定条件を用いることができる。しかしGC/MSではイオン化部で10^-4Torr以下の真空が必要となるMSと結合させるため、キャリアガスの流量をMSの排気量に応じて調整したり、カラムの長さや内径を制限する必要がある。水素をキャリアガスで使用する場合は特に顕著になる。

インターフェース部

インターフェース部はGCとMSを結合する部分である。結合方法は、キャピラリーカラムを用いるGC/MSでは直接結合法が一般的に用いられる。直接結合法では、キャピラリーカラムの出口がイオン化部の直前まで導入する。キャピラリーカラム出口が真空になるため、カラムの分離効率は10%程度が失われる。

その他にもオープンスプリット法やジェットセパレーター法があるが、充填カラムが現在ほとんど用いられないことやデッドボリュームが大きいことなどから使用されることは少ない。

インターフェース部ではGCから出た成分の吸着分解が起きないことが求められるため、内面は不活性化され、温度制御ができる。温度はカラム温度より少し低い温度で使用する。

質量分析計

詳細は「質量分析計」を参照

イオン化方法

イオン化方法としては電子イオン化(Electron Ionization, EI)、化学イオン化(Chemical Ionization, CI)が一般的に用いられている。

質量分析計

質量分析計としては、最も一般的な四重極型の他にも二重収束型(磁場型)、イオントラップ型飛行時間型、イオンサイクロトロン型がある。

最近ではタンデム型のGC/MS/MSも用いられている。

クロマトグラム

全イオンクロマトグラム

全イオン検出法(Total Ion Monitoring, TIM)では、指定した質量範囲の全イオン電流をモニターし、得られるクロマトグラムを全イオンクロマトグラム(Total Ion Chromatogram, TIC)と呼ばれる。GCでのガスクロマトグラムに相当する。

SIMクロマトグラム

選択イオン検出法(Selected Ion Monitoring, SIM)では、ある特定の質量(m/z値)のイオンだけをモニターする。

手法
複合手法
  • ガスクロマトグラフィー–質量分析法
  • 液体クロマトグラフィー–質量分析法(英語版)
  • 熱分解–ガスクロマトグラフィー–質量分析法(英語版)
理論
主要な学術誌
  • Biomedical Chromatography
  • Journal of Chromatographic Science
  • Journal of Chromatography A
  • Journal of Chromatography B
  • Journal of Liquid Chromatography & Related Technologies
  • Journal of Separation Science
Mass • m/zマススペクトル • MS software • 略号
イオン源

EI法  • 化学イオン化 • イオン付着質量分析法(英語版)  • 高速原子衝撃法  • 電界脱離(英語版)  • マトリックス支援レーザー脱離イオン化法 • APCI • 電界脱離(英語版)  • 大気圧レーザーイオン化(英語版)  • エレクトロスプレーイオン化 • DESI • GD • ICP • MIP • SS • TI • TS • DART • DAPPI

質量分析器
検出器
組み合わせ

MS/MS • QqQ • ハイブリッドMS • GC/MS • LC/MS • IMS/MS

崩壊

CID • IRMPD • BIRD • ECD • ETD • EDD • NETD • SID • HCD