ジジミウム

ドミトリ・メンデレーエフが作成した周期律表の初版。ジジミウムの「Di」の表記が確認できる

ジジミウム(またはジジム英語:Didymium)は、元素であるネオジムプラセオジムの混合物で、それらが単離される1885年まで一つの元素であると考えられていた。それまで元素記号Diと表示されていた。また、1841年にランタンから分離され、1879年にユウロピウムガドリニウムも混合したサマリウムが分離されるまで、それらも混合物に含まれていた。

名前は、1841年に分離された際、発見者のカール・グスタフ・モサンデルがランタンに双子のように似ていたことから、双子を意味するギリシャ語の単語δίδυμο(didyme)から命名した。

今日では、ジジミウムの名は、資源としてのプラセオジムとネオジムの混合物の名称「ジジム」[1]として生き残っている。

ネオジムプラセオジムの単離
セリウム (1839年まで)

セリウム

ランタン (1841年)

ランタン

ジジミウム (1879年)
ジジミウム (1885年)

ネオジム

プラセオジム

サマリウム (1886‑1901年)

サマリウム

ガドリニウム (Décipium)

ユウロピウム

用途

吹きガラス鍛冶作業で使用される保護メガネに使用される。特にガス(プロパン)を燃やす鍛冶場で使用される際、熱せられたガラス中のナトリウムが放出する589 nmの黄色い光を選択的に遮断するフィルターとなる。

光学測定装置の波長校正用フィルタ[2]や、秋の風景の写真撮影で葉の色を鮮やかに見せるのに使用される。

出典

ウィキソースにカール・グスタフ・モサンデル著 セリウムに含まれていた新金属ランタンとジジミウム、ならびにイットリア鉱石で見つかった新金属エルビウムとテルビウムについて(ドイツ語)の原文があります。
  1. ^ レアアース 20年国内需要9%減、日刊産業新聞、2021年3月31日、2022年3月23日閲覧
  2. ^ 『眼・色・光 〜より優れた色再現を求めて』日本印刷技術協会、2007年、146頁。ISBN 978-4889830927。 

関連項目

  • NdB6
  • NdBr3
  • NdCl2
  • NdCl3
  • NdF3
  • NdH2
  • NdI3
  • Nd(NO3)3
  • Nd2O3
  • Nd(OH)3
  • カテゴリ
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