宮原昭夫

宮原 昭夫(みやはら あきお、1932年8月5日 - )は、日本の小説家

人物

神奈川県横浜市生まれ。中学3年から神奈川県立横浜翠嵐高等学校にかけての同期に青木雨彦生島治郎がいた(ただし宮原は高校在学中に胸を患って数年間休学している)。早稲田大学第一文学部露文科卒業。同人誌「木靴」に参加し、太宰治の門弟として知られる小山清に師事した[1][2]

1963年、『ごったがえしの時点』を出版。1966年、「石のニンフ達」で文学界新人賞を受賞して文壇デビューし、第56回芥川賞候補に挙がる。以後「やわらかい兇器」「待っている時間」でも同賞候補に挙がり、1972年、「誰かが触った」で第67回芥川賞受賞を果たす。

初期の作品は、少女たちの小悪魔的な魅力を描いたものが多かったが、「誰かが触った」は障害児を描いた異質のものである。その後、船を舞台とした海洋ユーモア小説や、若い女たちを描いた長編を書いている。

横浜文学学校の講師として、村田沙耶香などを育てた。

孫は元TENG GANG STARRのラッパー・なかむらみなみ[3]

著作

  • 『ごったがえしの時点』七曜社 1963(のち毎日新聞社から復刊)
  • 『石のニンフ達』文藝春秋 1969(のち角川文庫
  • 『誰かが触った』河出書房新社 1972(のち角川文庫)
  • 『駆け落ち』文藝春秋, 1972(のち集英社文庫
  • 『あなたの町』冬樹社 1972
  • 『どっこいしょ・えいじゃー』河出書房新社, 1974
  • 『しょんべんカーブ』冬樹社, 1975
  • 『海のロシナンテ』新潮社 1975(のち集英社文庫)
  • 『広間と密室』立風書房 1976
  • 『男の日ごよみ』1977 (角川文庫)
  • 『早く買いすぎたベビー靴』立風書房, 1977
  • 『さはら丸西へ』角川書店 1978
  • 『まがりかど』集英社文庫 1979
  • 『ゴジラ丸船長浮気めぐり』集英社 1981(のち光文社文庫
  • 『魑魅魍魎』河出書房新社 1982
  • 『生きている海幸彦たち』日本交通公社出版事業局, 1983
  • 『土と火の巫女』福武書店 1983
  • 『カーテンコールをもう一度』双柿舎, 1985
  • 『女たちのまつり』河出書房新社, 1986
  • 『ゴジラ丸船長島めぐり』毎日新聞社, 1987
  • 『竜のいる海』毎日新聞社 1989
  • 『陽炎の巫女たち』読売新聞社 1992
  • 『海のドンキホーテ』徳間書店 1992
  • 『書く人はここで躓く! 作家が明かす小説作法』河出書房新社 2001
  • 『シジフォスの勲章』河出書房新社 2002
  • 『宮原昭夫小説選』宮原昭夫小説選制作委員会 2007
  • 『八十八年目の機嫌』冬花社 2020

映画出演

  • 戦車闘争 (映画) - (2020年12月公開 ドキュメンタリー映画[4]

関連項目

外部リンク

  • 宮原昭夫公式サイト

脚注

  1. ^ 細部に宿るもの…芥川賞作家 師弟対談
  2. ^ https://web.archive.org/web/20210823010655/https://www.townnews.co.jp/0601/2020/08/28/539994.html
  3. ^ “TENG GANG STARR|可能性を信じて ここに始まるストーリー”. HARDEST MAGAZINE | ハーデストマガジン (2018年9月6日). 2019年2月20日閲覧。
  4. ^ 映画「戦車闘争」公式HP
 第67回芥川龍之介賞
 
1930年代 - 1950年代(第1回 - 第42回)
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1940年代
1950年代
 
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1960年代
1970年代
 
1980年代 - 1990年代(第83回 - 第122回)
1980年代
  • 第83回 該当作品なし
  • 第84回 尾辻克彦「父が消えた」
  • 第85回 吉行理恵「小さな貴婦人」
  • 第86回 該当作品なし
  • 第87回 該当作品なし
  • 第88回 加藤幸子 「夢の壁」/唐十郎「佐川君からの手紙」
  • 第89回 該当作品なし
  • 第90回 笠原淳「杢二の世界」、高樹のぶ子「光抱く友よ」
  • 第91回 該当作品なし
  • 第92回 木崎さと子「青桐」
  • 第93回 該当作品なし
  • 第94回 米谷ふみ子「過越しの祭」
  • 第95回 該当作品なし
  • 第96回 該当作品なし
  • 第97回 村田喜代子「鍋の中」
  • 第98回 池澤夏樹「スティル・ライフ」/三浦清宏「長男の出家」
  • 第99回 新井満 「尋ね人の時間」
  • 第100回 南木佳士「ダイヤモンドダスト」/李良枝「由煕」
  • 第101回 該当作品なし
  • 第102回 大岡玲「表層生活」/瀧澤美恵子「ネコババのいる町で」
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