広島原爆をテーマとした作品

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新藤兼人監督作品『原爆の子』
新藤兼人監督作品『原爆の子』
関川秀雄監督作品『ひろしま』
関川秀雄監督作品『ひろしま
1946年米軍映画撮影隊が広島市内で撮影した映画用素材。三村明がカメラマンを担当した。
1946年三村が撮影した記録映像。上のものと共に後の映像作品に用いられている。

広島原爆をテーマとした作品(ひろしまげんばくをテーマとしたさくひん)では太平洋戦争末期の1945年8月6日広島県広島市にアメリカ軍によって投下された原子爆弾を題材した著名な作品を記す。

  • 水田九八二郎 『原爆文献を読む 原爆関係書2176冊』(中公文庫、1997年品切)
初版『原爆を読む 広島・長崎を語りつぐ全ブックリスト』(講談社、1982年絶.絶望新次元

文学作品

小説

  • 壺井栄石臼の歌』、1945年
  • 大田洋子 『屍の街』、1946年 - ISBN 4061963287、『半人間』
  • 原民喜 『壊滅の序曲』・『夏の花』・『廃墟から』、1947年 - ISBN 4101163014(青空文庫:原民喜で公開)
  • 徳川夢声『連鎖反応ヒロシマユモレスク』1952年 - ISBN 4860293010
  • 阿川弘之 『春の城』、1953年 - ISBN 4101110018
  • 阿川弘之 『魔の遺産』、1953年
  • 堀田善衛 『審判』、1960年 - ISBN 4480700552
  • 竹西寛子 『管絃祭』、『儀式』、1963年 - ISBN 4061975595
  • 井上光晴 『地の群れ』、1963年 - ISBN 978-4-10-113802-2
  • 高橋和巳 『憂鬱なる党派』、1965年
  • いいだもも 『アメリカの英雄』、1965年
  • 井伏鱒二 『黒い雨』、1966年 - ISBN 4101034060
  • 福永武彦 『死の島』、1966年 - ISBN 978-4-10-111508-5、ISBN 978-4-10-111509-2
  • 大庭みな子 『浦島草』、1977年 - ISBN 978-4-06-112833-0
  • 渡辺広士 『終末伝説』、1978年
  • 小田実 『HIROSHIMA』、1981年 - ISBN 4061975749
  • 山口勇子 『荒れ地野ばら』、1982年 - ISBN 978-4-406-00785-6
  • 村上親康 『広島の白い空』、2007年 - ISBN 4286037088
  • 井上雅博 『この空の下で』、2011年 - ISBN 978-4904826157
  • 五藤利弘 『おかあさんの被爆ピアノ』、2020年 - ISBN 978-4-06-520286-9

戯曲

詩集

漢詩

土屋竹雨『原爆行』

歌集

著者の伝記は水田九八二郎『目をあけば修羅 被爆歌人正田篠枝の生涯』(未來社 1983年)
  • 山本康夫『閃光 : 原爆歌集』、1998年 - 著者(1983年没)の生前の歌集から、原爆に関連する短歌を集めたもの。著者は広島の歌人で、原爆投下により長男を亡くした。

朗読劇

「母と子」をテーマに被爆体験記をまとめた、ヒロシマ/ナガサキ/その後、の三部構成の朗読劇。

童話

絵本

  • 丸木俊ひろしまのピカ』 ISBN 4338022019
  • 那須正幹・西村繁男 『絵で読む広島の原爆』ISBN 978-4834012651
  • 森本順子 『わたしのヒロシマ』ISBN 978-4323013527
  • 山口勇子作・四国五郎絵 『絵本 おこりじぞう』 ISBN 4323002378
  • 児玉辰春、長澤靖『まっ黒なおべんとう
  • 児玉辰春 『よっちゃんのビー玉』
  • 児玉辰春 『伸ちゃんのさんりんしゃ』
  • 児玉辰春 『かえってきたつりがね』
  • 松谷みよ子 『ふたりのイーダ』ISBN 4062135337
  • 松谷みよ子『まちんと』ISBN 978-4034380109
  • 松谷みよ子『ミサコの被爆ピアノ』ISBN 4062141345
    • 水田九八二郎 『原爆児童文学を読む』(三一書房、1995年)を参照。ISBN 4380952517
  • 長崎源之助 『ひろしまのエノキ』 ISBN 978-4494006847
  • 岩崎京子 『原爆の火』ISBN 978-4406027533
  • 大道あや 『ヒロシマに原爆がおとされたとき』ISBN 4591073025
  • 石倉欣二 『海をわたった折り鶴』ISBN 4338180382
  • 指田和 『ヒロシマのいのちの水』ISBN 978-4580820616
  • 指田和子 『ヒロシマのピアノ』ISBN 978-4580820005
  • 管聖子 『シゲコ!ヒロシマから海をわたって』ISBN 978-4036450404
  • 高橋昭博 『ヒロシマのおとうさん ヒロシマの心を子どもたちに』
  • まさきかずみ 『走れひばく電車』
  • 奥田貞子 『子どもの世界30 ケイコちゃん ごめんね』
  • 森本順子 『わたしのヒロシマ』
  • 深川宗俊 『ひろしまの子 -愛のうた-』
  • 吉元直志郎 『むかえじぞう』
  • 天野夏美『いわたくんちのおばあちゃん』
  • 原爆絵本シリーズ
    • 四国五郎 1.『ヒロクンとエンコウさん』
    • 入野忠芳 2.『もえたじゃがいも』
    • 山下まさと 3.『原爆の少女ちどり』
    • 下村仁一 4.『とうちゃんの涙』
    • 白井史明 5.『ミヨちゃんの笛』
    • 山本美次 6.『金魚がきえた』
    • 金崎是 7.『天に焼かれる』

手記

詳細は「原爆体験記」を参照

随筆

ノンフィクション

  • ジョン・ハーシー 『Hiroshima』、1949年 (日本語訳『ヒロシマ』- ISBN 978-4588316128)
  • 大江健三郎ヒロシマ・ノート』岩波新書 - ISBN 4004150272
  • 関千枝子 『広島第二県女二年西組 - 原爆で死んだ級友たち』ちくま文庫 - ISBN 4480022414
  • 柳田邦男『空白の天気図新潮文庫、1981年、ISBN 4101249016(現在は「新潮オンデマンドブックス」で刊行中/内容の一部は映像化され、江波山気象館で見ることができる)
  • 堀川恵子、小笠原信之『チンチン電車と女学生』日本評論社、2005年7月、ISBN 4535584257
  • 中条一雄『原爆は本当に8時15分に落ちたのか - 歴史をわずかに塗り替えようとする力たち』三五館、2001年, ISBN 4883202291
  • 堀川恵子『原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年』文藝春秋、2015年、ISBN 978-4-16-390269-2

写真集

  • 土門拳 『ヒロシマ』(1958年) 増補版が刊行
  • 福島菊次郎 『ピカドン ある原爆被災者の記録』(1961年)
  • 土門拳 『生きているヒロシマ』(1978年)
  • 松重美人 『なみだのファインダー - 広島原爆被災カメラマン松重美人の1945.8.6の記録』 - ISBN 4324071144
    8月6日に撮影した唯一のカメラマン。
  • 林重男 『爆心地ヒロシマに入る - カメラマンは何を見たか』 - ISBN 4005002080
  • 細江英公 『死の灰』(2007年)
  • 石内都 『ひろしま』(2008年) - ISBN 978-4-08-780482-9
    衣服を中心とした遺品を撮影。全頁カラーで収録。

絵画・絵画集

スタンディッシュ・バッカス『広島、1945年』(水彩、1945年)

アメリカ海軍の軍人で従軍画家だったスタンディッシュ・バッカスによる原爆投下直後の広島の水彩画や、被爆者による原爆の絵運動による記録画が知られる。

ドキュメンタリー

  • スティーヴン・ウォーカー 『カウントダウン・ヒロシマ』、2005年 - ISBN 9784152086549
  • 広島テレビ放送編『いしぶみ - 広島二中一年生全滅の記録』(1975年発行の改訂版 旧版では『碑』表記)、2005年 - ISBN 9784591087329
  • 久保安夫、中村雅人、岩堀 政則『原爆搭載機(B29エノラ・ゲイ)「射程内ニ在リ」』1990 年 - ISBN 9784651142012
  • 白井久夫『幻の声-NHK広島8月6日』(岩波新書)、1992年 - ISBN 9784004302360
  • 井上恭介『ヒロシマ - 壁に残された伝言』(集英社新書)、2003年 - ISBN 9784087201925

テレビドキュメンタリー

上記の他、「NHK特集」「NHKスペシャル」で毎年8月6日の前後を中心に関連番組が多数放送されている。

テレビドラマ

漫画

アニメーション

アニメーションのほとんどは、中沢啓治によって創立されたゲンプロダクションが製作する事が多い。また下記の作品の大半が、原爆投下に巻き込まれていく一般市民(老人、子供を含む)の被爆描写及び殺戮描写が残虐に描かれている事が多い。このため、広島市の小学校の平和教育で1990年代まではほぼ強制的に見させられた児童から、あまりの残虐さからアニメそのものを観ることを嫌う児童が増えていた[9]

  • 『ピカドン』(監督:木下蓮三) 1978年
  • 『はだしのゲン』(原作:中沢啓治)1983年、1986年の2度アニメ映画化されている[10]
  • 『なっちゃんの赤いてぶくろ』(監督:瀬藤 祝 原作:西野 綾子)1987年 
  • 『クロがいた夏』(原作:中沢啓治)1990年
  • 『ヒロシマに一番電車が走った』(制作:NHK広島放送局)1993年  
  • 『真っ黒なおべんとう』1990年(監督:出崎哲 原作:児玉辰春) - 原爆資料館に展示されている折免滋の遺品にまつわる物語。
  • 『伸ちゃんの三輪車』(原作:児玉辰春) - 原爆資料館に展示されている鉄谷信男の長男、伸一の遺品にまつわる物語。
  • 『よっちゃんのビー玉』(監督:青木雄三 原作:児玉辰春)1999年 - 原爆資料館にある熱で溶けたガラスビンにまつわる物語。
  • 『つるにのって〜とも子の冒険〜』
  • 『おかあさんの木』
  • 『おこりじぞう』(制作:NHK)
  • 『はとよひろしまの空を』
  • 『ひろしまのエノキ』
  • 『夏服の少女たち』
  • 『黒い雨が降る時』
  • 『この世界の片隅に』、2016年(監督:片淵須直 原作:こうの史代)
  • 『ヤマンへの手紙(―ヒバクシャからの手紙―)」2019年 (監督・脚本・絵コンテ・映像演出・編集:加藤道哉)

映画

『さくら隊散る』のモデルになった桜隊の丸山定夫
『さくら隊散る』のモデルになった桜隊丸山定夫
同じく桜隊の園井恵子
同じく桜隊の園井恵子

年代順

音楽

1995年から2004年にかけて「ヒロシマと音楽」実行委員会が調査したところによると、広島原爆に関する作品は1,800曲以上に及ぶ。『ヒロシマと音楽』(汐文社)で作品目録を見ることができる他、平和データベースで検索することができる[11]

年代順

年代不詳 (あるいは無記述)

  • 作曲:木下航二、作詞:浅田石二 『原爆をゆるすまじ』
  • 作曲:林光、作詞:原民喜原爆小景
  • 作曲:森脇憲三、作詞:薄田純一郎 『レクイエム「碑」
  • 作曲:遠藤雅夫、作詞:米田栄作ほか 『石の焔』
  • 作曲:新実徳英、作詞:峠三吉ほか 『祈りの虹』
  • 作曲:松下耕、作詞:鳥潟朋美 混声合唱組曲『風の夏』
  • 作曲:黒沢吉徳、作詞:栄谷温子 混声合唱曲『消えた八月』
  • 作曲・作詞:山本さとし 混声合唱曲『ヒロシマの有る国で』
  • 作詞:松山善三、作曲:佐藤勝、歌:美空ひばり一本の鉛筆
  • 作詞・作曲・歌:野田淳子『ヒロシマ 花』(音楽センター)
  • 作詞・作曲・歌 :石井竜也〔HIROSHIMA '05〕〔イノチノチカイ〕[28]
  • 作曲:三枝成彰、作詞:米田栄作 混声合唱組曲『川よ とわに美しく』
  • 作曲:佐々木祐滋、作詞GODBREATH、歌 :佐々木祐滋『-INORI-』[29]
  • 作曲:細川俊夫「ヒロシマ・レクイエム」「オラトリオ《ヒロシマ・声なき声》」
  • 作曲:外山雄三、作詞:ナジム・ヒクメット、訳詞:中本信幸死んだ女の子
  • 作曲:OMD、作詞:アンディ・マクラスキー『エノラ・ゲイの悲劇』

工芸

  • 原爆焼 - 1950年頃、「広島原爆記念会」が被害を後世へ伝えるために製作した陶器

展覧会

  • 村上隆 『リトルボーイ展』(2005年、ニューヨーク) - 原爆をモチーフにした「サブカルチャー」展覧会

関連項目

脚注

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  1. ^ 1983年に復刻(全国書誌番号:83047455)、1995年に現代教養文庫『さんげ 原爆歌人正田篠枝の愛と孤独』(ISBN 4390115677)に原本が収録された。
  2. ^ 他人会新社 共同企画公演 この子たちの夏
  3. ^ 瀧本住人のブログ「増補 核の言説史 1950|そのたびごとにただ一つ、世界のはじまり」。
  4. ^ NHK特集「夏服の少女たち 〜広島・昭和20年8月6日〜」(1988年8月7日放送)の再現ドラマおよび生存者の証言版
  5. ^ テレビ指定席 あしあと - NHK放送史
  6. ^ 日米合作。『ジ・エンド・オブ・パールハーバー HIROSHIMA〜運命の日〜』としてビデオソフト化された。
  7. ^ 「幻の原爆漫画 発掘--故・谷川氏の「星はみている」」『朝日新聞』2010年1月8日付夕刊、第3版、第12面。
  8. ^ アメリカのマーベル・コミックの作品。X-メンの登場人物として有名なウルヴァリンが昭和20年8月の広島の捕虜収容所にいた時の出来事を描いた短編作品。ストーリーは「LOST」のブライアン・K・ヴォーンが担当。
  9. ^ 梓出版社刊『「はだしのゲン」がいた風景』p190~200記述より
  10. ^ はだしのゲン・2KINENOTE
  11. ^ ただし、洋楽の分野についてはほとんど無視されている憾みがある
  12. ^ 能登原由美『「ヒロシマ」が鳴り響くとき』春秋社、東京都千代田区、2015年11月20日、30頁。ISBN 978-4-393-93592-7。 
  13. ^ NAXOS 8.557839に収録
  14. ^ 52の弦楽器のための作品。彼の代表作であるとともに、トーン・クラスターの使用例として、よく引き合いに出される曲でもある。ただし作曲当初は広島とは無関係の題名であった。
  15. ^ ソプラノテノール管弦楽のためのカンタータ。第1曲「広島の橋の上で」はドイツの哲学者ギュンター・アンデルスのルポルタージュ『広島と長崎での日記』に基づく
  16. ^ Elvis Presley& Sparks『Kick-Ass[Music from the Motion Picture]』2010年収録曲
  17. ^ Kraftwerkのアルバム『Radioactivity』に収録
  18. ^ 『日本の作曲家:近現代音楽人名事典』日外アソシエーツ、2008年、260頁。 
  19. ^ 1番が広島、2番が長崎の被爆者の立場から歌っている
  20. ^ アルバム『Dirty Fingers』収録。但し録音は1980年。
  21. ^ アルカトラスのアルバム『No Parole from Rock 'n' Roll』に収録。なお、上記の「平和データベース」ではアーティスト名が間違って表記されている(グラハム・ボネットが「バネット」になっている)。イングヴェイ・マルムスティーンの日本公演では広島公演限定で演奏されることが多い。
  22. ^ アルバム『J.BOY』に収録
  23. ^ ザ・タイマーズのアルバム「TIMERS」(東芝、EMITOCT-11102)に収録。原発を原爆に例えている。
  24. ^ それぞれ、1番が長崎、2番が広島の被爆者に関して歌っている
  25. ^ King Crimsonのアルバム『The ConstruKction Of Light』に収録。
  26. ^ a b 2010年5月の「1000人のチェロ・コンサート」で初演された。
  27. ^ 広島県廿日市市で歌われる合唱曲 はつかいち平和のうた。
  28. ^ SRCL-6073/マキシシングル/2005年12月7日「GROUND ANGEL in HIROSHIMA」に収録
  29. ^ 広島平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデル・佐々木禎子の甥。