焙烙

曖昧さ回避 この項目では、土器について説明しています。古代中国の刑罰については「炮烙」をご覧ください。

焙烙(ほうらく/ほうろく)は、素焼き土鍋の一種。炮烙炮碌とも書き、炒鍋(いりなべ)とも言う。関東などでは「ほうろく」という[1]

概要

低温で焼かれた素焼き土器で、形は底が平たく縁が低い[2]茶葉銀杏などを炒ったり蒸したりするのに用いる。このような料理は「焙烙蒸し」「焙烙焼き」とよばれるときもある。また、宝楽焼の鍋としても用いられる。ゴマを煎る時などに使われる、口縁部が窄まり把手の付いたものは「手焙烙」と呼ばれる[3]

その他

  • 最初の焼き芋は、1793年(寛政5年)、江戸本郷で焙烙で蒸されて売られた。
  • 茶器としても用いられ、河内国埴田(はんだ:大阪府羽曳野市埴生野)のものは「埴田炮烙(灼熔)」として愛好されたという[2]。炭手前のとき、炉または風炉の灰を入れて炭杓子の付属品を入れて持出でる。
  • かつて戦国時代、瀬戸内海を中心として勢力を誇った村上水軍は焙烙に火薬を詰めた「焙烙玉」を武器として無類の強さを発揮した。

脚注

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  1. ^ 焙烙(ほうろく)横須賀市自然・人文博物館
  2. ^ a b 斎藤 2004 p.397
  3. ^ 神奈川県立博物館 2013 pp.11

参考文献

  • 斎藤忠「炮烙(ほうろく)」『日本考古学用語辞典(改訂新版)』2004年 学生社 pp.397 NCID BA68729429
  • 神奈川県立博物館『地中に埋もれた江戸時代の道具たち-かながわの町と村の暮らしぶり-』2013年 神奈川県教育委員会 NCID BB1536492X

関連項目

外部リンク

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