無花果 (クルアーン)

無花果
التين
At-Tin
アッ・ティーン
無花果
啓示 マッカ啓示[1]
章題の意味 第1節に「無花果オリーブにおいて」の語がある[2]
啓示時期 マッカ[1]
詳細
スーラ 第95章
アーヤ 全8節
ジュズウ 30番
ルクー 1回
語数 34語
文字数 156文字
前スーラ 胸を広げる
次スーラ 凝血
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音楽・音声外部リンク
Islam House - タルティール朗誦法。
朗誦者: ファーリス・アッバード (0:44)
音楽・音声外部リンク
Islam House - タジュウィード朗誦法。
朗誦者: ムハンマド・スィッディーク・アル=ミンシャーウィー (1:45)
イチジク
オリーブ

無花果』(いちじく、アラビア語: التينUNGEGN式: At-Tīn アッ・ティーン)は、アル・クルアーン(コーラン)における第95番目のスーラである。

主な内容

  • イチジクオリーブシナイ山、安全な町にかけて。 - 1節から3節
  • かつて、人間を最も美しく創造した。 - 4節
  • それから彼を最も低く落とした。 - 5節
  • 善行の信仰者はその限りではなく、尽きない報酬がある。 - 6節
  • お前はなぜ審判を否定するか。 - 7節
  • は、最も公正な審判をする。 - 8節

解説

イチジクとオリーブ

イチジクは薬といわれ、胃に優しく、健康に役立つ。痔が治るとして、預言者はイチジクを食べることを推奨している。夢に現れるイチジクには、専制的でない男という意味がある。また、夢でイチジクを入手することは富を意味し、イチジクを食べると、神により子供を恵まれることを意味する。

その他、イチジクが何を指すかの諸説がある。それによるとイチジクは、ヌーフ(ノア)がアル・ジューディー(ユダヤ山、en:Mount Judi)に建てたモスクのこと。もしくはエルサレムのモスク、もしくはマッカの聖モスク(アル・マスジド・アル・ハラーム・モスク)[3]のこと。またはダマスカスの町がある山。またはシリア地方のイチジクとオリーブの木がある2つの山の1つ。

オリーブもまた果物としての他、薬として健康に役立つ。オリーブは、エルサレムのモスク、もしくはアル・マスジド・アル・アクサー・モスクのこと。またはエルサレムのモスクがある山。またはシリア地方のイチジクとオリーブの木がある2つの山の1つ。

日本語訳アル・クルアーンで、オリーブ橄欖(かんらん)と記述する場合もある[4]が、広辞苑等の辞書によると、オリーブを橄欖(かんらん)と訳すのは、誤訳である。

1節から4節

イチジク(無花果)、オリーブ、シナイ山、マッカ(メッカ)の町にかけて、神が人間を創造したということ。神は、人間の外面と内面を、他の生物と比べて、最も美しく創造した。

5節

落とされた「彼」というのは、「一部の個体」のこと。人間は、その特権に思い上がり、フィルアウン(またはパロと表記する。ファラオも参照)のように「自分は至高なる主である」と言う者まで現れた(引き離すもの (クルアーン) の24節)。

神は、彼を落とし、彼の腹を汚物で満たし、彼が排泄をしたり排泄せざるを得ない状態にした。神が、その状態にしたのだと了解した者は、神に再び服従する。「低く落とした」とは老衰の暗示であり、青年の頃よりも信仰行為が減少するが、青年期の報酬がある。

6節

但し書きの節。中田訳のアル・クルアーン注釈によると[5]、老いて信仰の行為ができなくなった時、それまでしていた行為が書かれることになる、とハディースにある。

7節

信仰しない者への問いかけの節。審判は最後の審判、報償。

8節

中田訳によると[5]、『無花果』を読んだ者は、自分がそれへの証言者である、という宣言をするようにと、ハディースにある。

アラビア語による『無花果』全文

アル・クルアーン第95章 『التين (無花果)』

関連項目

脚注

  1. ^ a b マディーナ啓示という説もある。
  2. ^ 日本ムスリム情報事務所 聖クルアーン 無花果 (アッ・ティーン)
  3. ^ 聖モスクの中心部には、カアバ神殿がある。
  4. ^ 藤本勝次・伴康哉・池田修訳、井筒俊彦訳。
  5. ^ a b 中田香織訳、中田考監訳 『タフスィール・アル=ジャラーライン (ジャラーラインのクルアーン注釈) 第3巻』 日本サウディアラビア協会 2006年4月
    • タフスィール・アル=ジャラーラインはTafsir al-Jalalayn(英語)も参照。

外部リンク

  • 日本ムスリム情報事務所 聖クルアーン 無花果 (アッ・ティーン)
英語版ウィキソースに本記事に関連した原文があります。
無花果
スーラ 全114章
ジュズウ (章)

章題

1〜13 01-)
  • 開端
  • 雌牛*
  • イムラーン家*
  • 婦人
  • 食卓
  • 家畜
  • 高壁۩*
  • 戦利品
  • 悔悟
  • ユーヌス*
  • フード*
  • ユースフ*
  • 雷電۩*
  • イブラーヒーム*
14 (15-)
  • アル・ヒジュル*
  • 蜜蜂۩
15〜16 (17-)
  • 夜の旅۩
  • 洞窟
  • マルヤム۩*
  • ター・ハー*
17 (21-)
  • 預言者
  • 巡礼۩
18〜25 (23-)
  • 信者たち
  • 御光
  • 識別۩
  • 詩人たち*
  • 蟻۩*
  • 物語*
  • 蜘蛛*
  • ビザンチン*
  • ルクマーン*
  • アッ・サジダ۩*
  • 部族連合
  • サバア
  • 創造者
  • ヤー・スィーン*
  • 整列者
  • サード۩*
  • 集団
  • ガーフィル*
  • フッスィラ۩*
  • 相談*
  • 金の装飾*
  • 煙霧*
  • 跪く時*
26〜27 (46-)
  • 砂丘*
  • ムハンマド
  • 勝利
  • 部屋
  • カーフ*
  • 撒き散らすもの
  • 星۩
  • 慈悲あまねく御方
  • 出来事
28 (58-)
  • 抗弁する女
  • 集合
  • 試問される女
  • 戦列
  • 合同礼拝
  • 偽信者たち
  • 騙し合い
  • 離婚
  • 禁止
29 (67-)
  • 大権
  • 筆*
  • 真実
  • 階段
  • ヌーフ
  • 幽精
  • 衣を纏う者
  • 包る者
  • 復活
  • 人間
  • 送られるもの
30 (78-)
  • 消息
  • 引き離すもの
  • 眉をひそめて
  • 包み隠す
  • 裂ける
  • 量を減らす者
  • 割れる۩
  • 星座
  • 夜訪れるもの
  • 至高者
  • 圧倒的事態
  • 太陽
  • 胸を広げる
  • 無花果
  • 凝血۩
  • みいつ
  • 明証
  • 地震
  • 進撃する馬
  • 恐れ戦く
  • 蓄積
  • 時間
  • 中傷者
  • クライシュ族
  • 慈善
  • 潤沢
  • 不信者たち
  • 援助
  • 棕櫚
  • 純正
  • 黎明
  • 人々
関連項目
太字۩の計14章=サジダ節あり (22「巡礼」のみ2節で計15)。 *の計29章=章の冒頭に神秘文字あり。
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