電気録音

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電気録音(でんきろくおん)とは、音楽録音において現在普通に行われる、楽器歌手の演奏をマイクロフォンにより電気信号に変換した上で録音する方式であり、それまでの音響・機械的振動のみを用いた記録方式であるアコースティック録音と区別する[1]

初期には信号の調整後直接レコードの原盤(ラッカー盤)をカッティングしたが、録音機の発明とともにいったん記録したテープなどを介して間接的にカッティングが行われるようになった[2]

その結果、テープ上で編集を行うことができるようになったため、演奏家は最初から最後までミスの無い演奏を行うことを必須とされなくなったが[3]、それはメリットであると同時に演奏の緊張感を損なう欠点であるという見方も長らくあった[4]

しかし、アコースティック録音時代の記録媒体はSPレコードであったため、最大でも5分程度しか演奏を続けることは無かった。かつてはオペラの一幕はおろか、交響曲の1楽章すら通して録音することは無かった[5]

演奏会を行わないことで有名だったピアニストグレン・グールドは、変奏曲の各変奏を順序も別々に録音して制作したレコードを作ったこともあったし、オペラなどは出演する歌手のスケジュールに合わせるため、楽譜の順番どおり録音されることはめったに無い。そうした録音セッションを通して演奏の質を確保することに力を注ぎ、結果に責任を持つのは、演奏家だけではなくレコーディング・プロデューサーの重要な仕事である[5]

関連項目

脚注

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  1. ^ 柳田益造 2006, p. 10.
  2. ^ 生明俊雄 2010, p. 6.
  3. ^ 郡修彦 2007, p. 109.
  4. ^ 生明俊雄 2010, p. 11.
  5. ^ a b 生明俊雄 2010, p. 12.

参考文献

  • 柳田益造「音楽における情報工学と音響工学」『バイオメカニズム学会誌』第30巻第1号、バイオメカニズム学会、2006年、8-16頁、CRID 1390001204685701760、doi:10.3951/sobim.30.8、ISSN 02850885、NAID 110004857423、OCLC 5171659828、国立国会図書館書誌ID:7853716、2024年1月21日閲覧 
  • 郡修彦「日本のSPレコード史」『音楽研究 : 大阪音楽大学音楽博物館年報』第22巻、大阪音楽大学、2007年、106-111頁、CRID 1130000793583553152、ISSN 13494201、OCLC 853226567、NDLJP:10313736、2024年1月21日閲覧 
  • 生明俊雄「メディア技術の進展と日本の音楽録音スタジオの変化」『広島経済大学研究論集』第32巻第4号、広島経済大学経済学会、2010年、1-27頁、CRID 1050577232667542272、ISSN 03871444、NAID 120005378398、OCLC 5175614178、国立国会図書館書誌ID:10690213、2024年1月21日閲覧 
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