黒絵式

ヘラクレスゲーリュオーンが描かれた黒絵式アンフォラ。紀元前540年(バイエルン州立古代美術博物館蔵)
黒絵式アンフォラ。紀元前6世紀(ルーヴル美術館蔵)

黒絵式(くろえしき、: black-figure)は、紀元前7世紀からあらわれた古代ギリシア陶器の壺絵の技法の一つである。黒像式(こくぞうしき)とも呼ばれる。

黒絵式の時代は、特に紀元前7世紀から5世紀の間とされるのが一般的だが、紀元前2世紀頃と遅い説もなされている。技法のスタイルは、黒絵式より先に起きた東方化様式と続いて起こる赤絵式の時代と区別された。素焼きの明るい地の上に黒色を主とする装飾画が描かれるのでこの名称がある。焼成前に人物像などを黒色の平塗りで形をとり、細部は針で引っ掻いて白や赤線で描かれるので、きびきびとした描線を特色とした。紀元前7世紀のコリントス[1]で発明され、アッティカアテナイ)に伝わった。重要な生産拠点としてラコニアスパルタ[2]ボイオーティア[3]エウボイア島エレトリア[4]、東部ギリシア[5]エトルリアなどに広まっていった。

脚注・出典

  1. ^ M. T. Campbell A Well of the Black-figured Period at Corinth, Hesperia, vii (1938), pp. 557–611.
  2. ^ C. M. Stibbe Lakonische Vasenmaler des sechsten Jahrhunderts v.chr., 2 vols, 1972. M. Pipili Laconian Iconography of the Sixth Century BC, 1987
  3. ^ K. Kilinski II Boiotian Black Figure Vase Painting of the Archaic Period, 1990
  4. ^ J. Boardman Pottery from Eretria, Annu. Brit. Sch. Athens, xlvii, 1952, pp. 1–48
  5. ^ R. M. Cook and P. Dupont East Greek Pottery, 1998

関連項目

陶芸・粘土細工
陶芸用語集(英語版)
原料・釉薬
主な種類・素地
成形技法
成形・装飾
  • 艶出し (英語版)
  • 施釉
  • 焼成
  • 素焼 (無釉磁器(英語版))
  • 匣鉢
  • 野焼き陶芸(英語版)
  • スリップウェア
  • チャイナペインティング(英語版)
  • 染付
  • 青磁
  • 黒絵式
  • 赤絵式
  • マールワー文化(英語版)
  • ジョールウェー陶器(英語版)
  • 黒色赤色土器文化(英語版)
  • 彩文灰色土器文化(英語版)
  • 北方黒色磨研土器(英語版)
  • ラン・マハル文化(英語版)
  • 柿右衛門
保全
  • 古代ギリシアの陶器の保全と修復(英語版)
陶器の歴史
典拠管理データベース: 国立図書館 ウィキデータを編集
  • フランス
  • BnF data
  • ドイツ
  • イスラエル
  • アメリカ