11人制ハンドボール

11人制ハンドボール
1957年に行われた試合(ドイツ)
統括団体 国際アマチュアハンドボール連盟(国際ハンドボール連盟設立に伴い解散)
起源 20世紀初頭のドイツ
特徴
身体接触
選手数 11人
カテゴリ 屋外競技
ボール ハンドボール(初期はサッカーボール)
実施状況
オリンピック 1936年
テンプレートを表示

11人制ハンドボールとは、ハンドボール競技の一種で、1960年代まで盛んに行われたチームスポーツサッカーと同じ大きさのフィールドやゴールを使い、屋外で公式競技が行われた。

1960年代以降、ハンドボールの公式競技は屋内での7人制に移行したため、現在「ハンドボール」と呼称する競技は、一般的に7人制ハンドボールを指す。

7人制と区別するため、「11人制ハンドボール」や「屋外ハンドボール」、「フィールドハンドボール」などと呼ばれている。

本記事では「11人制ハンドボール」と表記する[1]

歴史

起源

11人制ハンドボールは、20世紀初頭のドイツで男子サッカーに代わる女子用の球技として創案された。

1915年ごろ、公式に残る記録では1919年、ドイツのカール・シェレンツ(Karl Schelenz)による競技規則の制定が11人制ハンドボールの起源とされている。

シェレンツは、19世紀末のドイツで盛んに行われていた女性向けの競技「トーアバル(Torball)[2]」をもとに、サッカーの持つスポーツ性を取り入れ、男性にも女性にもできる球技として、11人制ハンドボールを普及、指導した。

発展

11人制と7人制は相互に影響しながら発展を遂げた。

1928年には、国際アマチュアハンドボール連盟が創設され、1934年に11人制と7人制の競技規則が制定された。

オリンピックでは1936年に男子11人制が実施種目に採用された。1938年には男子11人制と男子7人制による、第1回ハンドボール世界選手権が開催された。

7人制への移行

11人制に比べ、少人数で競技場が小さい7人制は競技実施が容易であり、徐々にハンドボール競技の主流は7人制となっていった。

1946年には、7人制が盛んであったデンマークスウェーデンにより、国際ハンドボール連盟が設立。国際アマチュアハンドボール連盟は発展的解消を遂げ、ハンドボール競技は徐々に7人制へと一本化されていった。

日本での歴史

1922年東京師範学校大谷武一により11人制が紹介された。大谷による11人制の紹介は、日本におけるハンドボール競技の起源とされている。

国際的に7人制への移行が進んだことを受け、1963年には全ての国内公式戦が7人制へと移行し、11人制ハンドボールは廃止された。

現在、国内の11人制ハンドボールは、シニア世代向けの交流大会がわずかに行われるのみとなっている[3]

ルール

35mラインにより攻守がほぼ分業され、体力の消耗が少ないことや、フィールドが広く接触が少ないこと、ボールの扱いが比較的易しいことなどから、同時期のサッカーに比べ、女性や子供にも行いやすい競技とされていた。

11人制ハンドボールのフィールド(薄い線はサッカーのフィールド)
  • フィールドとゴールの大きさは、サッカーとほぼ同じ。フィールドの大きさは、縦90~110m×横55~65m。ゴールの大きさは、高さ2.44m×横7.32m。
  • 13mラインは、ゴールの中心から13mの半円。13mライン内には、ゴールキーパー以外が入ることはできない。7人制ハンドボールのゴールエリアラインに相当する。
  • 14mラインは、ゴール正面14mに引かれる短い線。サッカーのペナルティーキックにあたる、ペナルティースローを行う地点。7人制ハンドボールの7mラインに相当する。
  • 35mラインは、ゴールから35m地点の両サイドラインを結ぶ直線。35mライン内には、攻撃側も防御側もフィールドプレーヤーは6人までしか入れない[4]。6人以上の選手が入った場合、オフサイドとして反則となる。
  • ダブルドリブルの反則は無く、ドリブルは何度繰り返してもよい。両手でドリブルを行っても問題は無い。
  • スローインはサッカーと同様に両手で行う[5]


脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 現在一般的に行われている屋内7人制のハンドボール競技は「7人制ハンドボール」とし、11人制と7人制の両競技を指す場合には「ハンドボール競技」と表記する。
  2. ^ ラグビーに似た「ラフバル(Raffball)」という競技が女性向けに改良されたもの。
  3. ^ “マスターズハンドボールインフォメーション”. mastershandball.main.jp. 2019年10月18日閲覧。
  4. ^ フィールドプレーヤーは10人のため、1人の選手は攻守を兼任することとなる。体力的な負担を軽減するため、攻守の兼任はフィールド上の選手が交代で行っていた。
  5. ^ 現在の7人制ハンドボールのスローインは、サイドラインを片足で踏み一般的には片手で行う。

参考文献

  • ハンドボール指導教本. 株式会社大修館書店. (1992年11月1日). "第1章ハンドボール競技の概要"
  • 『観る前に読む大修館スポーツルール2019』大修館書店編集部、株式会社大修館書店、2019年4月20日、p123,125。
陸上競技
競走
跳躍競技
投てき競技
混成競技
水泳
体操
格闘技武道
射的
球技
フットボール
ハンドボール
ホッケー
バスケットボール
ラケットスポーツ
バレーボール
バットアンドボール競技
ゴルフ
その他
ウィンタースポーツ
雪氷滑走競技
スキー
スノーボード
スケート
そり競技
自転車競技
モータースポーツ
アウトドアスポーツ
ウォータースポーツ
スカイスポーツ
ローラースポーツ
アニマルスポーツ
マインドスポーツ
その他
  • 一覧記事一覧
  • カテゴリカテゴリ
  • ポータルポータル:スポーツ
フットボール
グリッド系
ハイブリッド系
歴史的ルール
ラグビー系
ハンド系
バスケット系
バットを
使う球技
スティックを
使う球技
ホッケー系
ネット越え系
その他
コートあり
ゴール入れ
フットボール
サッカー
アメフト
ラグビーフットボール
ハンドボール
バスケット
複合
スティック
アンドボール
ホッケー
ポロ
ネット越え
バレーボール型
ラケットスポーツ
人当て
コートなし
バットアンドボール
ゴルフ型
補遺
カテゴリ カテゴリ