アキュラ・MDX

MDX(エムディーエックス)は、本田技研工業が生産し、アキュラブランド および ホンダブランド(初代のみ日本国内)で販売するSUVである。

初代 YD1型(2001-2006年)

アキュラ・MDX(初代)
YD1型
フロント
リア
概要
別名 日本国内向け:ホンダ・MDX
製造国 カナダの旗 カナダ
販売期間 2001年 - 2006年
ボディ
乗車定員 7人
ボディタイプ SUV
駆動方式 4WDVTM-4
パワートレイン
エンジン J35A型:3.5L V6 SOHC VTEC
最高出力 前期型:260PS/5,800rpm
後期型:265PS/5,800rpm
最大トルク 前期型:35.2kgf·m/3,500rpm
後期型:35.5kgf·m/3,500rpm
変速機 5速AT
サスペンション
マクファーソンストラット
ダブルウィッシュボーン
車両寸法
ホイールベース 2,700mm
全長 4,790mm
全幅 1,955mm
全高 1,820mm
車両重量 2,030kg
その他
燃費 7.8km/L(10・15モード)
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2代目北米仕様オデッセイ(日本での販売時の名称:ラグレイト)をベースにした、モノコックボディの7人乗りSUVで、初の3列シートを持つ。プラットフォームはグローバルミッドサイズプラットフォームを使用し、Honda R&D Americas(HRA)で企画、開発された。当初は、ホンダ・パスポートいすゞ・ウィザード(アメリカ名いすゞ・ロデオ)のOEM車)の後継として、ホンダブランドとして企画されていた[1]が、当時大ヒットしていたレクサス・RX(日本名トヨタ・ハリアー)に追従する形で高級SUVとして投入され、アメリカのみで展開していたアキュラ・SLXいすゞ・ビッグホーン(アメリカ名Trooper)のOEM車、ホンダ・ホライゾン)と置き換えられた。コンセプトは「サウスウエスト」。ショートノーズで背の高いデザインは、動物のサイをイメージしている。インテリアテーマは「サンタフェスタイル」。

生産はカナダ・オンタリオ州アリストンのHCM(Honda of Canada Manufacturing)で行われた。

ラグレイトベースであるが、剛性を高めるための4つのピラーを環状にした4リングシェル構造や4WD化への対応などプラットフォームから大きく改良されている。ランプブレークオーバーアングルを確保するためにホイールベースは短く、3列目シートは大人が乗るにはヘッドクリアランスは十分だが、足元が高く窮屈である。それでも3列目シートは注目を集め、モータートレンド誌のユーティリティオブザイヤーの受賞理由の一つともなっている。

駆動方式は、新開発のVTM-4と呼ばれる4WDに5速ATが組合わされ、エンジンはV型6気筒J35A型を搭載した。ラグレイトのエンジンに対し、デュアルステージ・インテークマニホールドの追加などで高出力化されている。

2000年-2001年モデルのトランスミッションは、2速ギアの潤滑に問題があり、長時間5速ロックアップ機構が働いたときに2速ギアが発熱し、最悪破損する恐れがある。後に北米仕様オデッセイやホンダ・パイロットと共に60万台規模のリコールがされた[2]

2003年モデルで、ビッグマイナーチェンジが行われた。エンジンは直下キャタライザー、大口径エギゾーストパイプなどにより、20hpパワーアップしたほか、SUV初のULEV-2基準適合車となった。燃費は17/23mpg(EPA City/Highway)。エキゾーストマニホールド一体シリンダーヘッドサーペンタインベルトの採用、タイミングベルト幅やクランクシャフト長の短縮などで、30mmのコンパクト化、軽量化も果たしている。スロットルドライブバイワイヤ(DBW)となった。

トランスミッションは、新設計の5速ATで4軸化や偏平率65%の薄型トルクコンバータの採用で、60mmのコンパクト化がされた。VTM-4のセッティングは再調節が行われ、特に低ミュー路でのリアタイヤへのトルク配分を30%アップさせた。VSA(車両挙動安定化制御システム)が追加され、VTM-4、ドライブバイワイヤと連携し制御が行われる。

リアサブフレームとホイールハウス、テールゲートの強化により動的ねじり剛性を35%アップさせた。サスペンションも再チューニングされよりスポーツセダンライクな走りになった。

独立していたナビゲーションシステムとDVDエンターテイメントシステムのオプションを両方選択できるようになった。ナビゲーションがアップグレードされ、音声認識機能やリアビューカメラが搭載される。

2004年モデルは、エクステリアでは、フロントグリルやフェイシア、テールライト、ホイールのデザインが変更された。安全装備では、サイドカーテンエアバッグが装備された。ツインサイレンサー採用により、エンジンは5hp向上した。

2005年モデルでは、ナビゲーションがアップグレードし、ザガットのレストラン情報などが参照できるようになった。VSAは性能が向上した。 燃料タンクは新設計となり、LEV-2の燃料蒸発基準に対応、容量もわずかに増えた。

ホンダ・MDX

日本では2003年3月から「ホンダ・MDX」として輸入され、ベルノ店で販売された。右ハンドル化の他、シフトレバーがストレート式に変更されており、サイドアンダーミラーが付く。2003年はアメリカでの最上級グレードに相当する「エクスクルーシブ」のみ1,700台の限定販売となった。

2004年2月からはベーシックグレードのMDXが追加された。

2005年2月、全タイプに、オートライトコントロールや雨滴検知式ワイパー、セキュリティアラームなどを標準装備するとともに、ボディカラーにビレットシルバー・メタリック、スチールブルー・メタリックを新たに設定した。

2006年3月[3]に生産終了、6月に輸入販売は終了した。販売期間中の新車登録台数の累計は1,502台[4]だった。

オーストラリアでも2003年から2006年まで輸入が行われた。日本と同じく上級グレードのみで右ハンドル、ストレートシフトレバーである。

  • ホンダ・MDX(日本仕様)
    ホンダ・MDX(日本仕様)
  • 牽引装置(ヒッチメンバー)を取り付けた MDX
    牽引装置(ヒッチメンバー)を取り付けた MDX
  • 緊急車両仕様
    緊急車両仕様

2代目 YD2型(2006-2013年)

アキュラ・MDX(2代目)
YD2型
2010年モデル
2007年モデル
概要
製造国 カナダの旗 カナダ
販売期間 2006年 - 2013年
ボディ
乗車定員 7人
ボディタイプ SUV
駆動方式 4WD(SH-AWD
パワートレイン
エンジン J37A型:3.7L V6 SOHC VTEC
最高出力 300hp(304PS)/6,000rpm
最大トルク 275ft·lbf(38.0kgf·m)/5,000rpm
変速機 5速AT / 6速AT
サスペンション
マクファーソンストラット
トレーリングアーム式マルチリンク
車両寸法
ホイールベース 108.3in(2,751mm)
全長 190.7in(4,844mm)
全幅 78.5in(1,994mm)
全高 68.2in(1,732mm)
車両重量 4,548 - 4,588lbs
(2,063 - 2,085kg)
その他
燃費 15/20/17 mpg
(EPA City/Highway/Combined)
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2006年4月、ニューヨーク・モーターショーにてデザインコンセプトモデル「MD-Xコンセプト」が出展され、9月に生産車が発表された[5]。また、この代より日本での販売が行われていない。

先代に比べ、トレッド、ホイールベースを拡大した。ボディは衝撃吸収構造を持つACE(Advanced Compatibility Engineering)、コンパティビリティ対応ボディとなった。ニュルブルクリンクにて走行テストが繰り返し行われており、乗り心地やハンドリング特性などのチューニングに役立てている。

エンジンは、初採用となるJ37A型 3.7L V型6気筒 SOHC VTECで、シーケンシャルモード付きの5速ATが組み合わせられる。先代のエンジンに比べ排気量が拡大、シリンダライナーは鋳鉄からシリコンアルミニウム合金となったほか、インテークポートやバルブ形状変更により、圧縮比は10.1から11.0に高められ、バルブタイミングや、吸排気系の改良により、SAE[要曖昧さ回避]の新計測法で300hpを発揮する。その他マグネシウム合金のヘッドカバー、2ピースマグネシウムダイカストのデュアルステージ・インテークマニホールドなどにより、軽量化も達成している。

駆動方式も、VTM-4からレジェンドに初搭載されているSH-AWDに変更された。アキュラ・RDX同様、2段増速機構が廃止された軽量仕様で、従来のVTM-4に比べ7%の軽量化を果たしている。常時1.7%増速され、直進状態での前後輪の回転差は、左右の多板クラッチによって吸収している。継続してわずかなスリップが起こるため、クラッチや摩擦材は高耐久な専用設計のものを使用している。RDXと同じくクルージング時には駆動力を最大90%前輪に配分するインテリジェント燃費モードを採用している。コーナリング時の前後配分は50:50と抑えられている。EPAの燃費評価は15/20mpgである。格納式の3列目シートを持ち、最大で7名が乗車できる。

「スポーツ」「テクノロジー」の2種類のパッケージオプションがあり、さらに「エンターテイメント」パッケージを追加できる。「エンターテイメント」は先代ではツーリングモデルでの独立したパッケージであったが、2代目は単独での選択はできない。

スポーツパッケージには、アクティブダンパーシステムが搭載される。路面状況に応じて電磁石によりダンパーに封入された磁性流体の粘性をコントロールし減衰力を動的に連続変化させるBWI Group製のMagneRideシステムを利用し、MDX用の設計とアキュラ独自のチューニングがされている。センターコンソール上のスイッチでスポーツ/コンフォートの切替が可能。スポーツパッケージはその他、5スポークアルミホイールやパンチングレザーシート、テクノロジーパッケージの装備が含まれる。

テクノロジーパッケージはアキュラ/アルパイン製のXM NavTrafficによるリアルタイム交通情報を持つアキュラリンク対応のDVDサテライトナビゲーションシステムを搭載。410WのXM Satellite Radio付きアキュラ/ELS DTSサラウンド、リアビューカメラ機能も付属。

エンターテイメントパッケージにはフリップダウン9インチモニタや2つのワイアレスドルビーデジタルヘッドフォン、2列目シートヒーター、センターコンソールのシルバートリム、パワーテールゲートなどが装備される。パワーテールゲートはキーからの遠隔操作、ゲートハンドル、運転席のドアのスイッチで開閉が可能。 全モデル、ヘッドライトのロービームにHIDランプが装備される。

カナダ仕様には、1列目だけでなく2列目もシートヒーターが標準装備となる。ヘッドライトウォッシャーも特徴の一つとなっている。パッケージ設定は「テクノロジー」と「エリート」の2つのみでテクノロジーパッケージはアメリカ仕様と基本的に同等で、エリートパッケージははスポーツとエンターテイメントパッケージが合わさったものとなっている。ただし、アキュラリンクによるXM NavTrafficを利用したリアルタイム交通情報は利用できない。

製造は、引き続きカナダのHCMであるが、他のホンダ車と独立した品質管理と検証プロセスを持つアキュラクオリティラインが設けられている(2007年モデルのMDXとRDXが初)。

2009年モデルではナビゲーションシステムのアップグレードが行われ、ボディカラーが2色追加された。

2010年モデルではフェイスリフトを受けた。エクステリアはフロント、リアデザインがアキュラの最新共通デザインに合わせて変更。ボンネットやテールパイプも変更された。18インチホイールはデザインが変更され軽量化もされた。エンジンは新型3.7L V6エンジンで、最高出力は変わらないがトルク特性が改良されている。シリンダーブロックの強化やコンロッドなどの高耐久化がされ、圧縮比は11.0から11.2になり、冷却性能も向上した。VTECは2ロッカーアームの新タイプになり、高速カム時のリフト量が拡大した。EGRシステム、スパークプラグ、吸気バルブスプリング、オイルパン、オイルポンプなどその他多くのパーツが改良されている。

トランスミッションは新型の6速ATでアキュラ初搭載となる。従来の5速ATと比較し1速から5速までが大幅にローレシオ化されており、加速性能が向上した。ロックアップ機構には多板クラッチを用いて広範囲でロックアップが作動するようになっており、ローレシオ化と合わせて燃費性能も向上している。シフト制御ではコーナリング中に機能するGシフトロジックコントロール加わった。コンソールのストレートゲートシフトと共にパドルシフトもあり、オートマチックモード2種類とマニュアルモードが選択できる。エンジンやトランスミッションの改良により、EPA燃費は16/21mpgに向上した。

シャシーではリアトレーリングアームのスティフナーを強化し、剛性、静寂性が向上された。

インテリアではステアリングホイールやスピードメーター、ボタン類も改良された。リアビューカメラが標準装備となり、自動減光ルームミラーも搭載される。

「テクノロジーパッケージ」ではナビゲーションが8インチVGA仕様にアップグレードされ、マルチビューリアカメラや音声認識機能が強化されている。ミラノレザーの使用域が増え、1列目、2列目シートはフルグレインのミラノレザーシートとなる。

「スポーツ」パッケージに変わり「アドバンス」パッケージが新設されアルゴリズムが改良されたアクティブダンパーシステムや19インチホイールが装備される。インテリアはシートがパンチングミラノレザーとなる。後方死角の情報を表示するブラインドスポットインフォーメーションシステムやアダプティブクルーズコントロール(ACC)、追突軽減ブレーキ(CMBS)も用意される。「エンターテイメント」パッケージも引き続き用意されリアエンターテイメントシステム(RES)は新しくなった。

評価、セールス

2007年2月、5月にカーアンドドライバーマガジンにより行われた同価格帯(5万ドル)の比較テストで1位を獲得している [6]

アメリカではこれまでアキュラでトップセラーであったアキュラ・TLを超える販売台数を記録した[7]

3代目 YD3/4型(2013-2020年)

アキュラ・MDX(3代目)
YD3型
2014年モデル
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
販売期間 2013年 - 2020年
ボディ
乗車定員 7人
ボディタイプ SUV
駆動方式 FF / 4WD(SH-AWD)
パワートレイン
エンジン J35Y5:3.5L V6 SOHC VTEC
J30Y1:3.0L V6 SOHC i-VTEC
最高出力 J35Y5:290hp(294PS)/6,200rpm
J30Y1:257hp/6,300rpm
最大トルク 267ft·lbf(362N·m)/4,500rpm
変速機 6速AT(2014-2015モデル)、9速AT(2016-)
7速DCT
サスペンション
マクファーソンストラット
マルチリンク
車両寸法
ホイールベース 110.0in(2,819mm)
全長 193.6in(4,917mm)
全幅 77.2in(1,961mm)
全高 67.6in(1,717mm)
車両重量 FF:1,825 - 1,861kg
4WD:1,930 - 1,960kg
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2012年12月13日2013年1月14日から27日まで行なわれる北米国際自動車ショーにて、「MDXプロトタイプ」が世界初公開されることが発表され[8]、翌2013年3月のニューヨーク国際オートショーにて量産モデルが公開された後、2013年6月20日よりアメリカでの販売を開始した。

MDXでは初めてFFモデルをラインナップしており、2013年モデルよりベースグレードの販売価格が大幅に下がった。

新開発の「3-Bone」構造を持つプラットフォームを採用し[9]、ニューレベルのラグジュアリーコンフォート、クラストップの燃費、トップレベルの安全性を重点として開発された。デザインは「Aero Sculpture」コンセプトとしており、アキュラの現在のトレンドである空力を重視したデザインとなった。アキュラ・RLXに採用されたアキュラの新たなシグネチャーデザインとするジュエルアイ(Jewel EyeTM)LEDヘッドライトを標準装備する。

全高は先代より1.5in(38.1mm)低くしながら、同等の室内空間を確保している。ステップ高さや着座位置も下がり、より低重心となった。全長は2in(50.8mm)、ホイールベースは2.8in(71.1mm)長くなり、走行性能の向上や室内空間の拡大に役立てている。全幅は1.5in(38.1mm)、前面面積は2%小さくなり、空気抵抗が大幅低減している。オハイオR&Dセンターに新設された40%スケール風洞[10]を初めて利用して開発された市販車となった[11]

搭載されるエンジンは、RLX同様の「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」を採用した新型の3.5L 直噴 V6エンジンである。低燃費と加速性能の両立を図る。低速トルクは先代よりも8%向上、0-60mph加速も向上した。FFモデルでは4WDモデルよりエンジン搭載位置を下げ急加速時のトルクステアを軽減する。EPA燃費は4WDモデルが18/27/21 mpg (city/highway/combined)と先代より燃費が向上した。FFモデルでは 20/28/23 mpgとなっている。

ボディはサブフレーム、リアサスペンションなど大幅な軽量化を達成、ハイテン材の使用比率を高め、ステアリングハンガービームはマグネシウム合金を採用し先代のアルミニウム製より3.5kg軽量化した。フロンドドア周りにはホットスタンプ材を使用したリング状の一体スティフナーを初採用する。

サスペンションも前後とも一新され、フロントのストラットサスペンションはトリプルロードパス仕様のアッパーマウントを採用し、ロアコントロールアームは鍛造アルミニウム製。リアのマルチリンクサスペンションは先代に比べトレーリングアームがなくなり、軽量コンパクトとなり、ステップ高さを低くすることを可能とした。ダンパーは振幅リアクティブダンパーが標準となる。前後サブフレームはより軽量で強固となり、サスペンションマウントの剛性は先代より67%向上した。

先代同様ニュルブルクリンク北コースでの走りこみを行い、タイムは8秒短縮したとする[12]。VSAの機能を生かし、通常のブレーキング時にもトルクベクタリングを行うAgile Handling AssistをRLXに次いで採用する。4WDモデルではSH-AWDと連携して制御される。

インテリアでは2列目シートの前後スライドや、ウォークイン機能を強化し、センターコンソールは収納スペースが大幅に広くなった。MDXや競合車種のオーナーへのリサーチの結果を反映し、新型ではロードノイズの低減などNVH性能向上に力が入れられた。

グレードはFFとAWDそれぞれに、ベースグレード、テクノロジーパッケージ、テクノロジーアンドエンターテイメントパッケージ、アドバンスアンドエンターテイメントパッケージの4種類を用意。テクノロジーパッケージではナビゲーションやELSプレミアムオーディオシステムなどを搭載、テクノロジーアンドエンターテイメントパッケージでは天井部の9インチディスプレイを持つリアエンターテイメントシステムが付く。アドバンスアンドエンターテイメントパッケージはさらに、追突被害軽減ブレーキ (CMBS)、レーンキープアシストシステム (LKAS)、アダプティブクルーズコントロール (ACC)などの先進安全装置を搭載し、専用インテリアや、天井部のディスプレイは16.2inのウルトラワイドタイプになる。

生産はカナダオンタリオ州のHCMからアメリカアラバマ州のHMAに移管された。

2016年モデル

2015年2月発売された2016年モデルでは、トランスミッションが6速ATからアキュラ・TLXに初搭載された9速ATに変更された。従来の6速ATよりも軽量で、変速時間が25%短くなった[13]。4WDモデルではSH-AWDがTLX同様の電磁クラッチを使わない新型となった。

しかしながらEPA燃費ではFFモデルが19/27/22mpg、SH-AWDモデルが18/26/21mpgとなっており、2015年モデルより最大1mpg低くなっている。

ハイブリッド

2017年4月より「MDXスポーツハイブリッド」が追加された。3.0L V6エンジンにモーターを内蔵した7速DCTが組み合わされ前輪を駆動し、後輪は2つのモーターを内蔵したツインモーターユニット(TMU)により駆動させる。これら3つのモーターには1.3kWhのリチウムイオン二次電池が接続されている(SPORT HYBRID SH-AWD[14])。

AcuraWatch

安全装備なども最新のものにアップグレードされており、低速追従機能(LSF)付きアダプティブクルーズコントロール (ACC)、追突軽減ブレーキ(CMBS)、前方車接近警報(FCW)、車線逸脱警告 (LDW)、レーン・キープ・アシスト・システム(LKAS)、路外逸脱抑制機能(RDM)、ブラインドスポットインフォメーション (BSI)、ダイナミックガイドライン付きマルチビューリアカメラ、リアクロストラフィックモニターをAcuraWatchという名でパッケージ化して、ベースグレードからオプションで付けられるようになった。AcuraWatchの一部のLKAS、LDW、FCWはテクノロジーパッケージで標準装備、AcuraWatchはアドバンスパッケージには標準装備される。

4代目 YD8/9/YE1型(2022年)

アキュラ・MDX(4代目)
YD8/9/YE1型
A SPEC(フロント)
A SPEC(リア)
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
販売期間 2022年 -
ボディ
乗車定員 7人
ボディタイプ SUV
駆動方式 FF / 4WD(SH-AWD)
パワートレイン
エンジン J30AC:3.0L V6 DOHC VTEC ターボ
J35Y5:3.5L V6 SOHC VTEC
変速機 10速AT
車両寸法
ホイールベース 113.8in(2,891mm)
全長 198.4in(5,039mm)
全幅 78.7in(1,999mm)
全高 67.1in(1,704mm)
車両重量 FF:1,825 - 1,861kg
4WD:1,930 - 1,960kg
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2021年モデルをスキップして、第4世代MDXは2020年10月14日にプロトタイプとして公開され、12月8日に事実上公開され、2021年1月12日に2022年モデルの量産が開始され、2月2日に発売され、Type-Sトリムは12月23日にリリースされた。アキュラは、2020年6月にRLXが廃止された後、MDXがフラッグシップモデルであると主張している。

エクステリアには、標準のパノラマサンルーフ、19インチまたは20インチの合金リム、2019 RDXと同様のテールゲート、現在のTLXと同様のヘッドライトとテールライト、異なるスタイルのグリルエンブレム、9つのエクステリアカラーと7つのインテリアカラーが含まれる。Type-Sトリムには、タイガーアイと呼ばれる黄色も用意されている。改良されたインテリアには、12.3インチのインフォテインメントシステムとアキュラ初の12インチデジタルフルTFTインストルメントクラスター、タッチパッド、3メモリーポジションを備えた16ウェイパワーフロントシート、取り外し可能なセンター2列目シート、カーペットとプラスチックを備えた取り外し可能な両面トランクフロア、および第3世代のMDXと比較してより多くの足元スペースとヘッドルームが含まれている。MDXは、4つのルーフマウントスピーカーを含む16スピーカーを備えたオプションのオーディオシステムと、キーフォブが近くにあるときにハンズフリーアクセスパワーテールゲートをリリースおよび閉じるためのフットセンサーも備えている。凸状の不規則なポリゴンのような形状の再設計されたキーフォブが含まれている。

パワートレインは改良され、既存の3.5L V6と10速トランスミッションが4つのトリムで利用可能になる。ベース、テクノロジーパッケージ、A仕様、およびアドバンスパッケージ。全輪駆動(AWD)はベーストリムとテクノロジートリムではオプションが、A-Specとアドバンストリムでは標準装備されている。Type-Sトリムモデルには、3.0L ターボチャージャー付きV6と4ピストンブレンボキャリパーを備えたフロントブレーキが標準装備される。タイプSには全輪駆動も標準装備される。

フロントでは、鍛造アルミニウム製ロアコントロールアーム、ダンパーフォーク、ステアリングナックルを備えたダブルウィッシュボーンサスペンションが、より剛性の高い鋳造アルミニウムショックタワー、より大きなフロントブレーキローター、幅の広い合金ホイールとともにMDXに搭載されている。プラスチック製のホイールウェルライナーは、ファブリック素材に置き換えられ、両方のバッテリー端子に簡単にアクセスできるように、再配置されたエアインテークが配置されている。高張力鋼(HSS)、ホットスタンプ鋼、アルミニウムは車体重量の69.7%を占めている。リアボディはより剛性が高く、サスペンションのロードパスがCピラーとDピラーに入り、牽引機能を可能にする。標準の牽引能力は3,500ポンド(1,600kg)が、トランスミッションクーラーを追加すると5,000ポンド(2,300kg)に増やすことができる。クーラーキットは、AWDモデルのアクセサリとして利用できる。

日本における販売

当初は2008年秋頃、日本にアキュラ店が発足する際に、2代目が投入予定となっていたが、日本国内での自動車新車販売台数の長期低迷により、アキュラ店発足が2010年以降に延期されたため、合わせて販売も延期されたとされている。しかしその後世界的な金融不安が訪れ、アキュラブランドの日本導入計画そのものが白紙撤回となった為、今後の動向は不透明となった。

2023年1月5日、奈良県、滋賀県、京都府でホンダ車を販売するホンダネット京奈が並行輸入の形で日本で新型「MDX」を販売する[15]

車名の由来

  • 「Multi-Dimension-X」の略で、多目的要素を高次元に進化させた未知への可能性を持つSUVを意味している。

脚注

  1. ^ モーターファン別冊 ニューモデル速報 NO.321 新型MDXのすべて(三栄書房、2003年)
  2. ^ American Honda To Recall Certain Light Truck Vehicles to Repair Automatic Transmission Archived 2010年1月4日, at the Wayback Machine.
  3. ^ カーセンサーより。
  4. ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第78号17ページより。
  5. ^ アキュラ「MD-Xコンセプト」をニューヨークオートショーで発表
  6. ^ BMW X5 vs. Acura MDX, Cadillac SRX, M-B ML350, Lexus GX470, Volvo XC90, VW Touareg, Land Rover LR3 - Crossovers and SUVs/Comparison Test/Reviews/Car and Driver - Car And Drive... Archived 2009年2月21日, at the Wayback Machine.
  7. ^ “American Honda Reports Best-Ever January Sales”. hondanews.com. 2007年2月7日閲覧。[リンク切れ]
  8. ^ 2013年北米国際自動車ショーでアキュラ新型「MDXプロトタイプ」を世界初公開
  9. ^ http://www.i-car.com/html_pages/technical_information/advantage/advantage_online_archives/2013/081613.shtml
  10. ^ http://response.jp/article/2011/08/29/161445.html
  11. ^ “アーカイブされたコピー”. 2013年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月9日閲覧。
  12. ^ “アーカイブされたコピー”. 2013年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月9日閲覧。
  13. ^ “Best Selling Acura MDX Receives Powertrain Upgrades, AcuraWatch™ and Expanded Options for 2016, Enhancing Performance, Safety and Luxury” (英語). Honda News. 2015年2月9日閲覧。
  14. ^ “El concepto Supercar NSX de Acura debutará en el mundo virtual del juego Gran Turismo®6”. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  15. ^ “ホンダが新型「MDX」を発売!? ランクル超えの高級3列SUVが1698万円! アキュラSUVが日本上陸へ”. くるまのニュース. 2023年1月7日閲覧。

関連項目

ウィキメディア・コモンズには、アキュラ・MDXに関連するカテゴリがあります。
ウィキメディア・コモンズには、ホンダ・MDXに関連するカテゴリがあります。

外部リンク

  • アキュラ・MDX
  • Honda | 今まで販売したクルマ | MDX
  • Honda | 四輪製品アーカイブ「MDX」
アキュラ車種年表 1986年以降
タイプ 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
小型車種 クーペ インテグラ インテグラ インテグラ RSX
セダン   インテグラ
EL EL CSX ILX
TSX TSX
ステーションワゴン TSX
スポーツワゴン
中型車種 クーペ CL CL
セダン ビガー TL TL TL TL TLX TLX
大型車種 レジェンド レジェンド RL RL RLX
クロスオーバーSUV CDX
RDX RDX RDX
MDX MDX MDX MDX
ZDX
SUV SLX
スポーツカー NSX NSX
(←1980年代以前) ホンダ車種年表 1990年代以降
赤背景は日本国外専売車
種類 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4
軽自動車 トゥデイ(4ナンバー)
トゥデイ N-ONE N-ONE
ライフ ライフ ライフ ライフ N-WGN N-WGN
ゼスト
ザッツ N-BOX SLASH
N-BOX/N-BOX+ N-BOX N-BOX
Z
ストリート バモス/バモスホビオ N-VAN
アクティバン アクティバン
アクティトラック アクティトラック アクティトラック
ハッチバック シティ ロゴ ブリオ ブリオ
Honda e
フィット/ジャズ フィット/ジャズ フィット/ジャズ フィット/ジャズ
インサイト インサイト ジーニア シティ
シビック シビック シビック シビック シビック シビック シビック シビック
コンチェルト シビック(MA/MB/MC)
アコード(CL型)
セダン ブリオアメイズ アメイズ
シティ フィットアリア('02-'09)/シティ シティ グレイス/シティ/グレイズ('15-) シティ
シビック シビックフェリオ シビックフェリオ
インテグラSJ
シビックフェリオ/シビックハイブリッド シビック/シビックハイブリッド シビック/シビックハイブリッド シビック シビック
コンチェルト ドマーニ ドマーニ インサイト
インテグラ インテグラ クライダー クライダー/エンヴィックス
アスコットイノーバ
アコード(欧州)
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