フラン・ターケントン

フラン・ターケントン
Fran Tarkenton
基本情報
ポジション クォーターバック
生年月日 (1940-02-04) 1940年2月4日(84歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
バージニア州リッチモンド
身長: 6' 0" =約182.9cm
体重: 190 lb =約86.2kg
経歴
大学 ジョージア大学
NFLドラフト 1961年 / 3巡目全体29位
AFLドラフト 1961年 / 5巡目全体34位
所属歴
1961-1966 ミネソタ・バイキングス
1967-1971 ニューヨーク・ジャイアンツ
1972-1978 ミネソタ・バイキングス
受賞歴・記録
シーズンMVP(1回)
1975
オールプロ選出(1回)
1975
プロボウル選出(9回)
1964,1965,1967-1970,1974-1976
NFL 通算成績
TD-INT 342-266
パスヤード 47,003
レーティング 80.4
ラッシングヤード 3,674
ラッシングTD 32
Player stats at NFL.com
Player stats at PFR
NFL殿堂入り
カレッジフットボール殿堂入り

フラン・ターケントン(Francis Asbury Tarkenton, 1940年2月3日 - )は、アメリカ合衆国バージニア州リッチモンド出身のアメリカンフットボールの元選手・解説者、実業家。クォーターバックとして、NFLミネソタ・バイキングスニューヨーク・ジャイアンツで18年間プレーした。

ターケントンはジョージア大学でカレッジフットボールをプレーした後、1961年のNFLドラフトでミネソタ・バイキングスから3巡目指名を受けてNFL入りした。18シーズンの現役生活の内の13シーズンでミネソタ・バイキングスに所属したが、連続した13シーズンではなく、7年目から11年目の5年間だけ、ニューヨーク・ジャイアンツに所属した。1978年シーズン終了後に引退したが、引退時、主要なクォーターバックの記録はターケントンが保持していた。

1986年にプロフットボール殿堂入りし、1987年にカレッジフットボール殿堂入りした。

引退後は、マンデーナイトフットボールのコメンテーターやテレビのリアリティショーの司会を務めた。また、アメリカではソフトウェア会社を設立した人物としても知られている。

プロ入り前

1940年2月4日、ターケントンはバージニア州リッチモンドで生まれた[1]

高校卒業後、ジョージア大学に進学した。カレッジフットボールでクォーターバックとしてプレーし、チームを1959年のサウスイースタン・カンファレンス王者に導き[2]、1959年と1960年のオールSEC(サウスイースタン・カンファレンス)に選出された[3][4]

NFL

ミネソタ・バイキングス

1961年、ターケントンはNFLドラフトで創設されたばかりのミネソタ・バイキングスから3巡目指名、AFLドラフトで創設2年目のボストン・ペイトリオッツから5巡目指名を受けたが、バイキングスと契約した。開幕戦(バイキングスにとっての創設最初の試合)はベンチスタートであったが、試合途中から出場して、250ヤードを投げ4タッチダウンを決める大活躍をしてチームを逆転勝利に導いた[5]。ルーキーの開幕戦での4タッチダウンパスは、2015年マーカス・マリオタが達成するまで、誰も達成することはできなかった[6]

1961年から1966年まで、ターケントンはバイキングスでプレーしたが、新設チームでの勝利は難しく、最初の3シーズンで10勝しかできなかった。

ニューヨーク・ジャイアンツ

1967年、ターケントンはニューヨーク・ジャイアンツにトレード移籍した。

1969年、開幕戦は古巣のバイキングス戦となった。第4クォーター開始時点で13点差で負けていたが、第4クォーターに2タッチダウンパスを決めて、チームを大逆転勝利に導いた。この試合でバイキングスは24失点をしたが、パープル・ピープル・イーターズと呼ばれたこの年の強力バイキングスディフェンスにとって、シーズン最多失点がこの試合となった[7]

1970年、ジャイアンツは開幕3連敗したが、そこから10戦で9勝して発足元年のNFC東地区の優勝戦線に加わった。しかし、最終週、ヤンキー・スタジアムで行われたロサンゼルス・ラムズ戦に敗れ、地区優勝を逃し、プレーオフ進出も逃した。プレーオフ進出は逃したものの、1964年から1980年の16年間でジャイアンツがプレーオフ進出に最も近づいたシーズンとなった。

ミネソタ・バイキングス

1972年、ターケントンはトレード移籍により、再びバイキングスに入団した[8][9]

ターケントンはバイキングスに再入団してから7シーズンプレーしたが、そのうち6シーズンでプレーオフに進出し、スーパーボウルに3回出場した。初めてスーパーボウルに出場したのは、再入団2年目の1973年シーズン第8回スーパーボウルであったが、前年パーフェクトシーズンを達成したマイアミ・ドルフィンズに敗れ、スーパーボウル制覇はならなかった。その後の2回のスーパーボウル(第9回第11回)もピッツバーグ・スティーラーズオークランド・レイダースに敗れ、スーパーボウル制覇を果たすことができなかった。

1975年シーズンはディビジョナル・プレーオフで敗れ、スーパーボウル出場をしていないものの、レギュラーシーズンでは12勝2敗でNFC第1シードにチームを導き、AP通信のMVPと最優秀攻撃選手に選出された。

引退時のクォーターバックとしての記録は、パスだけでなくラッシングについても当時のNFL記録をほぼ独占し、現在も上位にランキングされている[10][11]

1977年、ジョージア州のスポーツ殿堂入りし[12]、1986年にプロフットボール殿堂、1987年にカレッジフットボール殿堂入りした[13]

成績

凡例
リーグ1位
AP通信MVP& 最優秀攻撃選手
太字 自己最高
チーム 試合 パス ラン
GP GS Cmp Att Pct Yards Avg TD Int Lng Rate Att Yds Avg TD
1961 バイキングス 14 10 157 280 56.1 1,997 7.1 18 17 71 74.7 56 308 5.5 5
1962 14 14 163 329 49.5 2,595 7.9 22 25 89 66.9 41 361 8.8 2
1963 14 13 170 297 57.2 2,311 7.8 15 15 67 78.0 28 162 5.8 1
1964 14 14 171 306 55.9 2,506 8.2 22 11 64 91.8 50 330 6.6 2
1965 14 14 171 329 52.0 2,609 7.9 19 11 72 83.8 56 356 6.4 1
1966 14 12 192 358 53.6 2,561 7.2 17 16 68 73.8 62 376 6.1 4
1967 ジャイアンツ 14 14 204 377 54.1 3,088 8.2 29 19 70 85.9 44 306 7.0 2
1968 14 14 182 337 54.0 2,555 7.6 21 12 84 84.6 57 301 5.3 3
1969 14 14 220 409 53.8 2,918 7.1 23 8 65 87.2 37 172 4.6 0
1970 14 14 219 389 56.3 2,777 7.1 19 12 59 82.2 43 236 5.5 2
1971 13 13 226 386 58.5 2,567 6.7 11 21 81 65.4 30 111 3.7 3
1972 バイキングス 14 14 215 378 56.9 2,651 7.0 18 13 76 80.2 27 180 6.7 0
1973 14 14 169 274 61.7 2,113 7.7 15 7 54 93.2 41 202 4.9 1
1974 13 13 199 351 56.7 2,598 7.4 17 12 80 82.1 21 120 5.7 2
1975 14 14 273 425 64.2 2,994 7.0 25 13 46 91.8 16 108 6.8 2
1976 13 13 255 412 61.9 2,961 7.2 17 8 56 89.3 27 45 1.7 1
1977 9 9 155 258 60.1 1,734 6.7 9 14 59 69.2 15 6 0.4 0
1978 16 16 345 572 60.3 3,468 6.1 25 32 58 68.9 24 -6 -0.3 1
通算 246 239 3,686 6,467 57.0 47,003 7.3 342 266 89 80.4 675 3,674 5.4 32

脚注

  1. ^ “Father of Tarkenton Dies During Telecast”. New York Times (1975年12月29日). 2019年9月20日閲覧。
  2. ^ Bratton, Michael Wayne (2019年7月). “History of all-time SEC football championships entering 2019”. Saturday Down South. 2019年9月20日閲覧。
  3. ^ David M. Moffit (1959年11月25日). “Auburn Lands 3 Lineman On All-Star Team”. The Monroe News-Star: p. 23. https://www.newspapers.com/clip/2594910/the_monroe_newsstar/ 2015年6月11日閲覧。  オープンアクセス
  4. ^ “Gibbs and Tarkenton Named on UPI All-SEC”. The Delta Democrat-Times: p. 7. (1960年11月22日). https://www.newspapers.com/clip/2575836/the_delta_democrattimes/ 
  5. ^ “Countdown to the 2013 NFL Draft”. National Football League. 2013年4月2日閲覧。
  6. ^ "A Look at Marcus Mariota's Rookie Accomplishments" by Jim Wyatt, テネシー・タイタンズ online, December 31, 2015
  7. ^ "1969 Minnesota Vikings", Pro-Football-Reference.com
  8. ^ Koppett, Leonard. "Vikings Get Tarkenton For Snead and 4 Others," The New York Times, Friday, January 28, 1972. Retrieved November 1, 2020
  9. ^ 1972 NFL Draft Pick Transactions, February 1 (Rounds 1–7) & 2 (Rounds 8–17) – Pro Sports Transactions. Retrieved November 1, 2020
  10. ^ “NFL Passing Yards Career Leaders”. Pro-Football-Reference.com. 2020年8月7日閲覧。
  11. ^ “NFL Passing Touchdowns Career Leaders”. Pro-Football-Reference.com. 2020年8月7日閲覧。
  12. ^ Inductees, Georgia Hall of Fame website
  13. ^ Inductees, カレッジフットボール殿堂 website
ミネソタ・バイキングス先発QB
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2000年代
2010年代
2020年代
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    NFLパッシングヤード1位(英語版)
    1930年代
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    • 40 S.ボウ
    • 41 C.イスベル(英語版)
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    • 47 S.ボウ
    • 48 S.ボウ
    • 49 J.ルージャック(英語版)
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    1960年代
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    • 61 S.ジャーゲンセン(英語版)
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